「阪神紅白戦、紅組4-2白組」(11日、安芸市営球場) 新政権“第1号”や!!阪神の原口文仁捕手(26)が、キャンプ初の紅白戦で120メートルの特大弾を放った。六回にも左前打でチャンスメーク。守っても植田の二盗を阻止するなど、攻守で猛アピールに成功した。

矢野新監督も「競争には間違いなく入ってくる」と絶賛。ゴールデングラブ賞を獲得した梅野を筆頭に、来季の正捕手争いが白熱している。 今キャンプ最多4500人が詰め掛けた球場。静寂のグラウンドに乾いた打球音が響いた。少し間を置き、原口がゆっくりと走りだす。白球は左翼上空へ高々と上がり、通称「ディアーネット」の最上部ではずんだ。
推定120メートルの特大弾。代打の切り札が正捕手取りに名乗りを上げた。
「練習していることが出せたので。しっかりと打てたことはよかった」。

ハイライトは二回、1死走者なしだ。マウンドに今季7勝の小野。2ボール1ストライクからの4球目、直球勝負にフルスイングで対抗した。打った瞬間、フェンス越えを確信した一発。矢野政権“第1号”だ。 紅組の5番・捕手で出場。見せ場はこれだけじゃない。六回には1死一塁から左前打。3得点につなげた。さらに守備では三回、青柳とのコンビで、俊足植田の二盗を封じた。「練習で、少しずつやっていることが試合で出せたので。いい傾向です」。

藤井バッテリーコーチと二人三脚で改善に取り組む日々。同コーチも評価する。
「スローイング=キャッチング。びっくりするくらい成長している。練習ではずっとよかった。実戦で結果が出ると自信にもなる」 取り組んできたのは体重移動の方法。足の使い方を重点に素早く、正確なスローを求めてきた。捕手に再転向した今季は主に、代打の切り札として82試合に出場。打率・315の好成績を残し、桧山氏が持つ代打安打の球団記録「23」に並んだ。一方で、捕手としての出場は32試合、スタメンでは9試合だった。

来季も代打の神様に…甘んじる気はない。 「打てなくても(試合に)勝てればいい。勝てるよう、試合に出られるようにしたい」 痛みから不安のあった右肩について、矢野監督は良化している現状を評価。「競争に間違いなく入ってくる」と、正捕手争いの重要候補に位置づけた。梅野を筆頭に、坂本や長坂ら、サバイバルは激しさを増す。「今年もなかなか試合に出られなかった。来年につながるようにしたい」と原口。安芸の地で実り迎える秋。必死のパッチで定位置を奪い取る。


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https://www.daily.co.jp/tigers/2018/11/12/0011812377.shtml