「ミキハウス・サンスポMVP表彰&ファン交歓会」が21日、大阪市北区のリーガロイヤルホテル大阪で行われ、阪神・福留孝介外野手(41)が2年連続で第31回MVP(賞金100万円)に、原口文仁捕手(26)がミキハウス特別賞(同20万円)に輝いた。

誰もが認める虎の大黒柱、福留は矢野燿大監督(49)が明かした来季スタメン完全白紙プランにも初言及。若手の突き上げを「いくらでもどうぞ」と強く求めた。 やはり、この男がいなくては成り立たない。詰めかけた200人にカメラを向けられ、フラッシュを浴びせられ、堂々入場したのは福留だった。

主将を欠いた試合は苦しすぎた。実力も影響力もまだまだ圧倒的。2年連続で、文句ナシのサンスポMVP受賞だ。
「本当に、2年連続、こうやって選んでいただいて。ありがたく、うれしく思います」
キャプテンを務めた2年間の、見事としか言いようのない連続受賞だ。41歳シーズンもチームにすべてをささげた。123試合に出場し打率・280、14本塁打、72打点。4月13日のヤクルト戦(甲子園)では日米通算300本塁打を、0-2の九回無死一塁から同点へ持ち込む2ランで飾った。7月3日の中日戦(甲子園)では、史上57人目の通算3000塁打を達成。歩めば歩むほど記録がついてまわった。誰がどう見ても今季も攻守で大黒柱だった。

賞金100万円を受け取り、深々と一礼した。 シーズン中のMVP回数で、福留の「8」に対し2位に迫ってきたのが伊藤隼とロサリオの「6」。「2位が伊藤隼というのが、ちょっと…」と壇上で苦笑いしたが、貫禄で競り勝った。MVP回数のチェックなど、スポーツ紙は普段から見るのかと問われると「そうですね。サンスポだけしか読みません!」とサービストークも。普段はナインをひきつけるそのトークでファンも魅了。ここから一気に会場が温まっていった。

ファン交歓会も中盤に差しかかったころ。秋季キャンプ後に矢野新監督が「来季のスタメン完全白紙」と発言したことについて問われると、福留の返答も熱を帯びた。「いいんじゃないですか?」。カンテレの村西利恵アナウンサーが「若手、出てこい! ということですよね」と問い直す。福留はそれにも「はい。いくらでもどうぞ」と言い切った。これまでも圧倒的な実力でレギュラーを勝ち取り続けてきた。新指揮官の下でも、イスを用意してもらうつもりなど毛頭なかった。

「自信があるかないかと言われれば別にない。ですけど、一応この年までやっているので。その分の経験を、若い選手が今やっている以上のことを、僕は持っていると思っているので。(競争も)もう、『いくらでもどうぞ』という感じ」 もちろん矢野監督は、糸井らも含め「実績と結果は認めるし。尊重するから一番(スタメンに)近いところにはいる」とも語っている。だが福留は、率先して競争に身を投じ、「力と経験」でもって虎を勝たせて、それを制そうとしている。

「もう、個人のことがどうのこうのということはないので。まずチームがどうやって勝つか。勝つことにこだわって、やっていきたい」 一貫して言い続けているこの言葉が、壇上でも口をついて出た。若手の台頭を押し返し、来季こそVへと導いたとき。福留はもう一度、この舞台にいる。(長友孝輔)

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https://www.sanspo.com/baseball/news/20181122/tig18112205040001-n2.html