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<みなさん、夢はあるかい!?(4)>

阪神、日本ハム、メジャーでプレーし、14年ぶりの日本球界復帰を目指す新庄剛志氏(48)が20日、引退後初となる連載『みなさん、夢はあるかい!?』の第4回で、夏の甲子園大会中止に思いを寄せた。サイクル安打を記録した高校時代を振り返り「(高校野球を)教育というなら大人たちがアフターケアを」と訴えた。【取材・構成=寺尾博和編集委員】

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コロナめっ。球児がかわいそうだ。夏の甲子園が中止になったけど、これって結構大きな問題です。これがラストショーになる3年生の心は傷ついてるだろうね。おれも高校(西日本短大付)の時はプロに行きたかったし、そのためには甲子園大会に出場してアピールしないとプロ野球選手になれないと思っていました。

福岡大会の決勝で負けたのは、めっちゃ悔しかったけど、阪神に指名してもらった。決勝(1989年7月31日、福岡大大濠戦)のサイクル安打が決め手になったと思ってるんです。おれたちの時代は、1年生はボール持たせてもらえない、水飲めない、いじめあり、しごきありでしょ。今はそういうのないらしいけど、精神的に強くなったし、いい勉強だったと思っています。

でも今回は、インドネシアもそうだけど、世界で30万人を超える人が亡くなってるわけでしょ。東京五輪も延期になったから、悔しいけど仕方がないのかもしれない。

高校野球から教えられたことって、いっぱいあります。おれにとっては青春だった。だから今回の中止は残念でたまらない。今は何を言っても気持ちの整理がつかないだろう。

でも、きっと君たちは強くなれるさ。この先歩む長い人生の糧となってほしいとつくづく思う。あとは高校野球が「教育」というなら、大人がちゃんとアフターケアしてあげてください。

さて、きょうもバリ島は暑いです。連日トレーニングをしているが、どうしても“生きた球”は打てましぇん。速い球を投げてくれる人がいるわけじゃないし、バッティングセンターもない。だから今はイメージトレで打つ毎日です。

イメージトレといえば現役時代に印象に残っている投手では、伊藤智仁さん(元ヤクルト)のスライダーは世界一だった。苦手は下手投げの渡辺俊介くん(元ロッテ)。メジャーでは左のランディ・ジョンソンでしたね。

年をとると動体視力が衰えるっていうけど、それも実戦で打ってないからわからない。ただいつも自然を見てるから視力はいい感じです。そのへんは日本に帰ると慣れるでしょう。

おれって、ず~っと青春なんですよね。自分がこれと決めた道をいく。だからいつ死んでもいいという人生にしたいと、いつも思ってるんです。




でも、きっと君たちは強くなれるさ。この先歩む長い人生の糧となってほしいとつくづく思う。あとは高校野球が『教育』というなら、大人がちゃんとアフターケアしてあげてください。by新庄剛志 #日刊スポーツ 新庄!👏👏👏👏👏 pic.twitter.com/SApilOlkMY





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