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 就任1年目の阪神・矢野燿大監督(50)が沖縄・宜野座キャンプで、しきりに強調しているのが「自主性」だ。

 新体制となり初めて迎えたキャンプ。金本前監督時代の昨年、バスによる宿舎ホテル出発は投手が午前8時40分、野手が9時10分と決まっており、球場到着までに約40分かかった。若手の早出特打などは主に出発前、宿舎に隣接する室内練習場で行われ、球団関係者は「移動中のバスでひと眠りすることが多く、それがかえって体への負担になることもあった」と明かす。

 指揮官はそこにメスを入れた。出発時間を7時50分、8時40分、9時10分の3便態勢とした。特打なども球場到着後に行うようにし、ロス時間を減らした。移動便は自由選択制にしたが、若手は1便目を希望する選手が大多数を占めているという。

 この状況にある球団フロントは「強制だったり、やらされる練習はだらけるが、自主性となった途端、心理的に不安を抱いてみんな朝イチで移動するようになった。それが習慣になるのなら結構な話だよ」と笑う。

 キャンプ自体も第1、第2クールは3勤1休。周囲からは「昨季17年ぶりの最下位に終わったチームとしては練習が緩すぎないか」との声もあがったが、別のチーム関係者は「明るく活気あふれる現場になっている」と証言。

 一方で「金本前監督時代、若手はもっと声を出していたと思う。気を抜いているワケじゃないけど、その辺りは“怖いお目付け役”がやっぱりこのチームには必要なんだなと思うこともある」と複雑な胸中を明かす関係者もいるが、“やらされる練習”から転換する方針は変わらない。

 現場を預かる首脳陣の1人は「今、若手選手たちの立場は“親がいない子”の状況」と表現。「選手は誰にも何も言われないし、任されている。練習をさっさと切り上げて帰ることもできる。だけど、結果が出なければすべて自己責任。それがプロの世界というのを分かってもらえたら」と話す。

 昨季、チーム唯一全143試合に出場、今季から主将を務める糸原健斗内野手(26)は「自主性重視と、従来の上から教えられるやり方のどちらがいいかは、正直どちらもよさがあるので何とも言えないですね」。ただ、レギュラー野手陣が決め手を欠く今、若手にとっては自分で考え練習する以外にチャンスをつかむ手段はない。「自分の場合は課題山積。ただ、目標設定は打率3割というのがありますから。そこに向けてあらゆる面で準備できるか。そこを重視して臨んでいますから」と話す。

 地味ながらも「大改革」に舵を切った矢野阪神はどんな真剣勝負の舞台でどんな結果を残せるのか。(山戸英州)

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190208-00000010-ykf-spo

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