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阪神タイガース2軍本拠地の移転先として検討されている小田南公園=尼崎市杭瀬南新町3(Copyright(C) 2020 神戸新聞社 All Rights Reserved.)

 プロ野球阪神タイガースが2025年をめどに、2軍本拠地を鳴尾浜球場(兵庫県西宮市)から同県尼崎市杭瀬南新町3の小田南公園に移転する構想を巡り、誘致を目指す尼崎市は、周辺住民ら約1万人に賛否などを問うアンケートを始めた。移転の可否や球場施設のあり方などの検討材料とし、阪神電鉄側と協議を重ねていく。

 市は、スポーツや観光振興の目玉になる施設として誘致を目指しており、鳴尾浜球場が手狭なことなどから移転を検討していた阪神電鉄と、2016年から協議を続けてきた。

 一方、移転候補地の同公園は、住宅街に近く、年間30万人超が利用するなど市民の憩いの場となっている。既存の公園施設を縮小せざるを得ないことなどから、市民生活への影響は大きく、市は住民や利用者の意識調査を行うことにした。

 地元住民への説明資料によると、同公園敷地内にナイター設備のあるメイン球場と練習場を新設。選手寮と室内練習場も同公園の近くに建てる。いずれも阪神側が整備し、市は維持費などを一部負担する。既存の市民用の野球場や多目的運動広場は狭くなるが、春季キャンプ中は市民が球団用球場を利用できるよう検討しているという。

 アンケートは賛否に加え、心配事や要望も尋ねる。集計結果は年内にも公表する予定で、結果を踏まえて阪神電鉄と協議し、早ければ来春に一定の方針を示す。

 市は「地元に歓迎されなければ本末転倒との思いは市も阪神側も同じ。地元の声を丁寧にくみ取りたい」としている。(大田将之)


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