阪神は１５日、オリックスから国内フリーエージェント（ＦＡ）宣言した西勇輝投手（２８）に対し、獲得への意思を伝える連絡をとったことを発表した。
初交渉など詳細は非公表だが、秋季キャンプ明けの来週早々にも初交渉する可能性が高まった。この日、ＤｅＮＡも西獲りに参戦する可能性が浮上した。

　ついに１球目を投じた。阪神の動きは正確で、実に誠実だった。午後２時前、谷本球団副社長兼本部長がネクタイを締め直しながら“恋人”西へのラブコールを
送ったことを明かした。

　「連絡をとることはとりました。内々に進めていますので、（初交渉が非公開であることには）変わりません」

　前日１４日午後３時、日本野球機構（ＮＰＢ）から西がＦＡ選手として公示された。その時点でアポイントをとることは可能だが、“グレーゾーン”を避け、
交渉解禁となるこの日まで待った。

　４年１０億円を用意しているといわれるソフトバンクが強敵として立ちはだかるが、獲得の意思を表明し、初交渉の日程などを詰めたとみられる。ただ、
どれだけ話がトントン拍子に進んでも谷本副社長は口を割ることなく“虎のカーテン”を引いた。それだけ西の真剣な気持ちを最大限に尊重したいということ。
誠意の表れに他ならない。

　西獲りの陣頭指揮をとる谷本副社長は週末、高知・安芸に飛び、１８日の秋季キャンプ打ち上げを見守る。「（秋季キャンプ途中に矢野監督が緊急帰阪する可能性は）
あるといえばありますが」。今後の交渉劇での直接出馬に意欲を示している矢野監督は１６日も安芸に残るため、状況を考えれば、西との初交渉は週明けの
１９日以降。秋季キャンプも終わっており、指揮官も出馬しやすい時期だ。落ち着いて膝を突き合わせる。

　阪神の先発投手事情は意外に苦しい。大黒柱のメッセンジャーは来季３８歳。秋山は手術明け、藤浪は完全復活の途上で才木、望月、浜地、竹安ら期待の若手はこれから…という
状況。大きな故障もなく、過去５度の２桁勝利を挙げる西が加われば、強力な補強になることは間違いなし。この日、ＤｅＮＡも西を調査していることが判明した。
鷹、ベイに競り勝つために、着実に西の懐へと向かう。




サンスポ
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