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ルーキー1年目。プロで通用する鋭く速いスライディングは身に付けた。だが、もう一つの課題である盗塁時のスタートを磨いている最中だ。中学時代、陸上100メートル走で、現在の日本記録保持者・桐生祥秀に勝ったことがある、ということが話題となった島田海吏。だが、プロに入って自慢の走塁、盗塁で悩み、苦労した1年だった。

二軍ではウエスタン・リーグ2位の26盗塁を決めるも、19の失敗があった。プロ入りすぐに練習を始め、スライディングの強さを身に付けた。その後はスタートのときの「思い切ったスタート」を心掛ける。どうしても失敗をしたときの不安が頭をよぎることが、スタートの遅れにつながり、盗塁死が増えた。だが、そこも徐々に克服し、10月1日に一軍に再昇格を果たす。ここから12試合に出場する機会を得た。その中で盗塁数は「0」。1度トライしたが失敗した。 「一軍の投手のクイックの速さはやはり違いました。スタートしなければと思いながら、スタートを切ってしまった感じで、盗塁に失敗しました。迷わず思い切り走らないといけないと思いました」と10月3日、広島戦(マツダ広島)での盗塁失敗を振り返った。

「僕としては最後のほう、12試合でも一軍を経験させてもらえたことがすごく大きかったです。一軍で何が足りないのかも分かりました」。盗塁をするためには、まず出塁することが大事だ。「二軍の140キロ真っすぐと一軍投手の140キロ真っすぐの質が違いました。そこに負けないバットスイングの力強さも必要です」と秋季キャンプでこの盗塁と打撃2つの欠点を克服する努力を続けた。

チームNo.1の走力を持つだけに、この2つの武器を手に入れたとき来季ブレークする可能性は高い。「一軍で活躍すれば、あんなにファンの人に喜んでもらえるんだと感じました。あそこ(甲子園)で活躍したいと強く思いました」。だからこそ、自分の弱点を克服して見せるという強い意思がある。「甲子園での歓声を再び」その思いが島田をさらに成長させているようだ。 文=椎屋博幸 写真=BBM 週刊ベースボール


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