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得失点から妥当な勝率を計算すると・・・  今季、上手い戦い方をしたのはどの球団だろうか。

 得点と失点から妥当な勝率を予想するのがピタゴラス勝率。(得点の2乗)÷(得点の2乗+失点の2乗)で計算され、得点と失点が同じなら勝利5割、得点が多ければ勝率が高くなり、失点が多ければ勝率が低くなる仕組みだ。今季、ピタゴラス勝率の勝ち星より多く勝利したのはセリーグだと

 広島 +4

 ヤクルト +5

 DeNA +5

 の3球団。逆に勝てなかったのが

 中日 -1

 阪神 -3

 巨人 -8

 となっている。大差で敗北し僅差の勝利が多いとプラスの数値になるのがピタゴラス勝率の特徴で、継投がうまくいったかどうかを測る指標と見ることも出来るだろう。契約更改の席で田原がベンチとブルペンの連携の悪さを訴えた巨人は非常に大きなマイナスとなり、近藤、石山が奮投したヤクルトは2位から6位まで団子状態だった夏場の混戦を抜け出し神宮でのCS開催を勝ち取った。阪神は桑原、マテオ、ドリスのリレーが鉄壁だった昨季こそプラスだったが、今季はマイナス。順位も2位から最下位へと転落してしまった。

DeNAの得点効率はイマイチ  ピタゴラス勝率と実際の勝率を比べることが継投の上手さの目安となるならば、攻撃面の効率はRCと実際の得点を比べることでわかるかもしれない。RCは個人の総合的な得点能力を表す指標で、安打や本塁打に盗塁や四球などのプラスだけでなく、三振や併殺打によるマイナスも含めて計算される。打撃成績を得点に換算したものだ。例えば3度目のトリプルスリーを達成したヤクルト・山田のRCは約136点。ほぼ毎試合1人で1点を生み出している計算になる。

 チーム打撃成績をRCに換算すると、この打撃成績ならこのぐらいの得点が見込まれる、という見方も出来るだろう。RCは実際の得点よりやや高くなることが多いため、チーム総得点÷RCでその割合を計算すると

 広島 94.4%

 ヤクルト 94.1%

 巨人 95.7%

 DeNA 92.5%

 中日 98.3%

 阪神 95.7%

 継投ではプラスの数値だったDeNAだが得点効率では苦しんだようだ。リーグトップの181本塁打を放ちながら572得点はリーグ最下位。一発の出やすい球場を本拠地としているアドバンテージは発揮したが、結果には結びつかなかった。

矢野監督は最下位→優勝を再現出来るか  ピタゴラス勝率やRCと実際の成績との比較で、どちらも好結果を残したのが阪神2軍だ。今季は115試合を戦って68勝40敗7分、貯金28の勝率.630でウエスタンリーグ優勝。2017年の成績は52勝60敗10分、借金8で最下位に沈んでいたチームが一気に頂点まで駆け上がった。ピタゴラス勝率による勝ち星は65勝だから+3勝、RCに対する得点割合は104.7%と得点効率も抜群。「超積極的」のスローガンを掲げ、163盗塁を決めたことがクローズアップされるが実は84盗塁刺もリーグ最多。これだけだとチャンス拡大のメリットよりも走者が消えるデメリットの方が大きいはずだが、チーム全体としてのマネジメントはうまくいったようだ。最高の結果を残した矢野2軍監督は来季、1軍の指揮を執る。昨季は作戦兼バッテリーコーチを、今季は2軍監督を経験したことで自軍の戦力は若手からベテランまで把握済み。フロントも西、ガルシアと計算の出来る左右の好投手を獲得し、新監督をサポート。鳴尾浜で見せた最下位から一気の下剋上、来季は甲子園で歓喜の瞬間を迎えられるか。新監督の手腕に期待がかかる。














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