沖縄・宜野座で就任１年目のキャンプに臨んでいる阪神・矢野燿大監督（５０）。

　３日までの第１クールで目立ったのは福留、糸井、鳥谷のベテラン陣で、新指揮官は「若手はまだ（アピールの）タイミングがね…」と物足りない様子。７日から始まる紅白戦では結果に加え「可能性を見る」と断言し、発展途上の若手に奮起を促した。

　今回は投手陣を例年より多めに４３人呼び、直接チェックしているのが特徴。そこで気になるのは、高知・安芸で２軍キャンプスタートとなった残りの虎ナインたちのことだ。例年より人数が少ない練習に、心が切れてしまわないか。宿敵の原巨人はキャンプ３日目に「１軍ＶＳ２軍」の紅白戦を行い、２軍スタートとなった選手の奮起を促したが、阪神は１、２軍のキャンプ地が離れており、それもできない。

　だが、新指揮官はちゃんとフォローしていた。１軍出場経験のある某選手は、キャンプ直前に無料ＳＮＳアプリ「ＬＩＮＥ」で矢野監督から「今回は２軍スタートになったけど、３月のオープン戦やシーズン開幕で待っている。必ず、お前の力が必要だからな」といった内容の文章が届いたと明かす。

　チーム関係者は「歴代の監督で、直接会ったときに激励する人はいたと思うけど、矢野さんのように細かいところまでフォローする人はいなかったと思う。昨年２軍監督を務めて、選手の顔と名前、性格を熟知しているからこそできること。今後も続けられたら、ファーム行きを命じられても選手は気持ちを切らさずに戦える」と絶賛する。

　２軍で汗を流す選手にも気配りする新指揮官の姿は、昨季最下位に沈んだチームにとって大きな武器となる。（山戸英州）

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