「今ハマっているの食べ物は何ですか？」「ピノ！」－。ヒーローインタビューでの阪神・福留孝介選手の一言が、劇的な幕切れの記憶とともに虎党の心をわしづかみにしている。ツイッターにはピノを買い込むファンのツイートが続々と。ゴールデンウィーク明けの７日、製造する森永乳業（東京都）の株価は日経平均が下落したなか、３％上昇した。広報担当者は「影響はなんとも…」としつつ「有名選手に気に入っていただけてうれしい」と声を弾ませている。

　福留選手は５月５日に甲子園球場で行われたDeNA戦で、５-５で迎えた９回に右翼席へサヨナラ２ランを放ち、４時間３分に及ぶ死闘に終止符を打った。ちょうど「こどもの日」でもあり、お立ち台には２人のキッズインタビュアーが。そこで冒頭の「ピノ！」が飛び出した。阪神ファンで埋まった球場は大喜び。アナウンサーに「いつから？」とたずねられ、「ちょっと前からハマっています」と笑顔で答えた。

　ピノといえば、森永乳業が１９７６年から販売する大人気アイスクリーム。インタビュー終了後、ツイッター上には「ピノが無性に食べたくなっている」「買いに行ってきた！」などのツイートが次々と寄せられ、品薄になる店舗もあったという。

　さらに、日本列島が長い長い１０連休から明けた７日、東京株式市場の日経平均株価が大きく値を下げるなか、森永乳業は連休前の４月２６日の株価に比べ、１２５円高と３％アップ。８日は１５円値を下げたが、それでも連休前に比べると高値を保っている。

　ただ、アイスクリームは牛乳などと違い保存がきくため、売り上げがアップしているかどうかは「分からない」と同社広報ＩＲ部。株価についても「影響はまだ読み切れません」と慎重姿勢だが、「インタビュー内容は当社社員も大変ありがたく思っております。今後も福留選手にピノ好きでいていただけるよう、商品づくりに取り組んでまいりたいと思っております」とし、「今後、売り上げなどに動きがあれば…」と期待を寄せる。

　さ、今夜は神宮球場でのヤクルト戦。広報担当の片野さんも、スタンドに駆けつけてピノとビールで応援するそうです。（まいどなニュース・広畑千春）

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