◆日本生命セ・パ交流戦　ロッテ３―４阪神＝延長１０回＝（６日・ＺＯＺＯマリン）

　阪神・矢野監督の“執念のバクチリレー”で延長戦の接戦を制した。１点を勝ち越した直後の１０回。島本が３人で片付けてプロ初セーブを挙げると、指揮官は“矢野ガッツ”で喜びを爆発させた。「めちゃうれしいよ。去年ファームでやっていた選手がこんな大事な場面で投げてくれるっていうのは。感動せえへん？　俺だけ？」と興奮を抑えきれなかった。

　１点リードの６回から勝負に出た。５日に１軍昇格したばかりのプロ３年目の小野を、通算３９試合目で初の救援のマウンドへ。７回は５日も２死球の井上にぶつけてしまい、両軍がベンチから飛び出して警告試合に。それでも右腕は２死満塁で香月を左飛に仕留め、２イニングを無失点で乗り切った。「（小野で）いったらおもしろいやろ。俺はもう腹くくってるし。でもドキドキしたよ」と満足そうに笑った。

　ただ、小野の起用には理由があった。指揮官はこの日、勝ち試合の８回を任せてきたジョンソンの温存を決めていた。「１年間、長いんでね。今日はちょっと休ませようと思ってね」と球児、ドリスとつないだ。９回にドリスが追い付かれたが、１０回に勝ち越すと、今度は先月８日のヤクルト戦（神宮）で延長１２回の２点リードを守れなかった島本を起用。見事にリベンジの快投で応えてくれた。

　前夜は１点を追う９回１死三塁で「当たりＧＯ」を指示し、併殺と裏目に出たが、この日は実った。ジョンソンに何らかのアクシンデントが起きた可能性はあるが、交流戦開幕カードを勝ち越し。貯金を最多タイの６とし、首位・広島に３ゲーム差に迫った。「みんなで戦えているんでね」と矢野監督もうなずいた。重圧も経験に、一丸で前へ進んでいく。（嶋田　直人）

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