<阪神4-3ヤクルト>◇20日◇甲子園
「キン肉マン」パワーがみなぎった!? 阪神の先発高橋遥人投手(23)が、自己最多の10三振を奪う快投を演じた。19日が雨天中止となり初のスライド登板。白星はつかなかったが7回7安打2失点と、矢野監督の期待に応えた。
力感あふれる直球がビシビシ決まった。「暑かったですけど、全くいつもと同じように入れました。みんなが声を掛けてくれましたし、声援もありましたし、力になりました」。5回、8番太田を146キロ直球で見逃し三振に仕留めると、広岡からも146キロ直球で空振りを奪い、この回3者連続三振。ひょうひょうとした表情で、次々に打者をなぎ倒していった。
試合は「キン肉マンDay」として開催され、原作者のゆでたまごの2人が始球式に登場。ともにユニホームの背番号は「029(おにく)」で、高橋遥とヤクルト先発の小川も「29」だった。“肉々しい”競演で始まったゲームでヒーロー級の投球をみせた。ただ、高橋遥に笑みはない。「三振はおまけみたいなものなので。ランナーを背負ってから三振を取らないといけない。リードを許して降りてしまったので、もっと出来たんじゃないかなって」。1-0の6回2死走者なしから青木、村上に連打を浴び、満塁として中村に逆転の2点適時打を許した。初の2ケタ奪三振より、リードを保てず先発としての責任感が勝った。
連敗ストップを呼び込んだ粘りに、矢野監督の信頼は揺るがない。「投げる度に自分の自信が高まっている。スライドも初めての経験。どんどん自信をつけて投手陣を引っ張っていく素材」。ここまで2勝2敗ながら、防御率1・89はチームの先発で現在トップの数字。プロ2年目の左腕は、まだまだパワーアップする。【磯綾乃】