阪神は２８日の巨人戦で今季ワーストの１６失点を喫し大敗。このカードを２勝１敗で勝ち越したものの、本格的な梅雨明けは目前。投手がへばる夏場に巻き返しを図るには、貧打解消がカギを握る。

　その“目玉”となるのが緊急獲得した新助っ人、ヤンハービス・ソラーテ内野手（３２）＝前マーリンズ３Ａ＝だ。２６日に１軍初昇格すると、いきなり決勝弾を放ち華々しく日本デビュー。第２戦も長打をマークし“相棒”のマルテの一発を誘発した。

　第３ラウンドの２８日は、前日の試合で右肩付近に死球を受け治療のために緊急帰阪した糸井に代わって「３番」を務め、４タコに終わったが、「タイミングや試合のやり方は違えど、しっかり対応していいプレーを魅せられた。楽しみながら全力で戦えたよ」と３連戦を振り返った。

　陽気なキャラクターで入団会見ではメジャー時代のニックネームが「セクシータイム」だったことを明かし、強烈なインパクトを与えた。この日は３試合目にして、試合前の「声出し」を担当。平野打撃コーチの手ほどきを受けながら、最後は「サッ、イコー！！」と叫んだ。

　ベンチの盛り上げ役まで買って出る新助っ人に、清水ヘッドコーチは「元気でチームを鼓舞、引っ張ってくれるのはありがたいし、それが続くように頑張ってほしい。一生懸命やってくれる。ああいうのは大事」と目を細める。

　ナインの多くは、これまで１軍の助っ人野手がマルテ１人だったことから、ソラーテの加入で「話し相手」が増え相乗効果が生まれるとみている。

　「まじめなマルテはベンチでポツンとしていることもあったけど、今はとにかくソラーテがずっと一緒で楽しそう。ベンチではマルテが率先してソラーテに日本の野球を教えている。明るい選手がいれば、僕らも乗っていきやすいのは確か」とうなずく。

　この日は試合の序盤と中盤に投手陣がゲレーロ、炭谷に満塁弾２発を浴び、「伝統の一戦」の看板が泣く一方的な展開となった。虎の真夏の巻き返しはソラーテ次第といっても過言ではない。（山戸英州）

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