開幕から2勝8敗と苦しむ阪神に“救世主”が現れた。中日戦の試合前の円陣で球団スタッフが取り出したタブレット端末には昨年限りで現役を引退した横田慎太郎氏(25)からメッセージ動画が収められていた。輪になって、激励の言葉に耳を傾け最後は同氏の「さあ行こう!」のかけ声にナインも応える形で試合に臨んだ。
脳腫瘍からの闘病を経て、昨年9月26日に2軍戦で引退試合を行った横田氏。ラストプレーとなった中堅からの“奇跡のバックホーム”に、駆けつけた矢野監督、選手たちは涙を流した。当時、広島との激しい3位争いを繰り広げていたチームは去りゆく仲間のプレーに力をもらい6連勝でレギュラーシーズンを締めくくりCS進出を果たした。再び、背中を押してくれた横田氏の言葉が低迷脱出の転機となるか。