<阪神2-0中日>◇1日◇甲子園
阪神岩田稔投手(36)が6回2/3を4安打無四球無失点の快投を披露し、454日ぶり白星を挙げた。
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感極まって泣きじゃくる姿に、岩田は「まだまだ俺も頑張らなあかんな」と決意を新たにしていた。
昨年12月下旬、1型糖尿病患者支援プロジェクトの表彰式に出席。当時順大3年生だった野島理紗子さんと初対面した。野島さんはジュニアオリンピックカップ自転車競技スプリント1位の実績を持ちながら、高校2年時の3月に同病発症が発覚。「自転車は辞めなさい」。医者から宣告されて入院生活に入った直後、岩田の著書「やらな、しゃーない!」に出会って競技続行を決めたという。
「自転車もできない、大学にも行けないと落ち込んでいた時、岩田さんが就職内定を取り消されても頑張った話とかを読んで、真っ暗だった道が明るくなりました」。恩人との対面で流す大粒の涙を見て、心が奮い立たないわけがなかった。
「スポーツをする1型糖尿病患者の中で1番になりたい。いろんな競技の選手が出てきてくれたら、また楽しみが増える」。36歳。誰かに力を与えられる限り、岩田の心は折れない。【遊軍=佐井陽介】
去年鳴尾浜で観戦した時に好投した岩田投手。頼もしいベテランだわ。高校生の時から1型糖尿病と診断されてから今もなお、そして今日は1年半ぶりの勝ち投手!36歳のベテランがやったどーー! pic.twitter.com/aO1neY0m9K