あのとき届かなかった〝残り２回〟を取りに行く。宿敵を完全ＫＯし、タイトル戴冠へ－。阪神・村上が２４日、自信をにじませた。

「（東京ドームに）いいイメージはあるので、そのイメージのまま入りたい。不安はない。ビジターは慣れていますし」

久々に帰ってきた甲子園のグラウンドで、キャッチボールやダッシュを行い最終調整した。２５日は、ブレークのきっかけとなった〝あの試合〟以来の東京ドーム、巨人戦の先発だ。

「やっぱりあの試合があったから、今があるのかもしれない」

今季の先発初登板となった４月１２日。七回まで一人の走者すら許さない完全投球で宿敵をねじ伏せた。彗星（すいせい）のごとく現れた右腕。〝虎の村神様〟として一躍全国区になった。

そこからローテに定着し、ここまで７勝５敗。防御率は１・９９で、この日のＤｅＮＡ戦（横浜）で５回３失点だった広島・床田（２・０３）と入れ替わり、リーグトップに浮上した。「点を取られなければ負ける確率が少なくなるので、防御率に関しては絡んでいきたい」と最優秀防御率のタイトルは視線の先にある。常々、口にするのが、前回対戦で最後までマウンドに立てなかった悔しさ。今度こそ９回を投げきり、勝利をつかむ好投をみせれば、おのずと目指す冠は近づくはずだ。

巨人の先発は戸郷。岡田監督は「絶対に戸郷に（投げ）勝てとか言えへんやんか。いまの自分でな、どれだけ投げられるかいうのを。そないして、自信つけたら、来年以降もっとええ投手なるよ」と将来性を認める。ただ、目の前の一戦に、村上は負けるつもりはない。

「先発完投が理想。この前、巨人に投げたときは７回で降りたので、９回いけるようにやっていきたい」

最後までマウンドは譲らない。完全Ｇ倒でタイトルに向かって突き進む。（原田遼太郎）

https://news.yahoo.co.jp/articles/6d0d1267a5ed8b24a7d5641b4a2ce42d47b0bfe2