<DeNA6-1阪神>◇9日◇横浜
阪神がDeNAに見せ場なく敗れ、首位巨人に今季最大の10差をつけられた。日刊スポーツ評論家の桧山進次郎氏(51)は初回、先発青柳がソトに同点二塁打を浴びた投球を厳しく指摘。「簡単に野球をし過ぎている、安易に考えているように見えてしまう」と状況判断など、野球の質の改善を求めて奮起を促した。
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この試合で一番残念だったのは初回、青柳の3番ソトに対する投球でした。1点リードの1死一塁の場面。ポンポンと2球で追い込んだと思ったら、3球目は大甘のストレート。どこに投げるんだ? ファウルで助かった! と思ったら、4球目も大甘のスライダー。当然のように左翼線に運ばれました。この同点のされ方は、めちゃくちゃもったいない。続く4番佐野に勝ち越し打を許してDeNAペースになっていくわけで、ゲームの流れを考えても痛過ぎる投球でした。
前日は7-0から追いつかれる負けに等しいドロー。ムードは最悪だったでしょうし、そんな中で1回表にすぐ1点を先制し、切り替えて行くぞとなった矢先です。昨日からストライクはガンガン振ってて、この打席も1、2球目をファウルして超積極的なソトに、3球目に命拾いしたはずなのに、なぜ4球目も大甘なのか。梅野にも“広く広く来い”というジェスチャーもなかった。1球1球にストーリー、流れがあるのです。この同点のされ方は野手もがっくりでしょう。力のあるボールもあるのに、これでは2桁勝てません。
状況判断、やるべきことができない。形になっていない。頭の中を整理、準備すれば防げることなのに。簡単に野球をし過ぎている、安易に考えているように見えてしまいます。これはチーム全体にも言えることで、そうしたほころびから負けるケースが目立ちます。前日7-0の6回に突然崩れたガルシアもそう。先頭への四球は仕方ないにしてもなぜ2者連続なのか。7点リードを考えればどんどん打たせていく場面で、一番ダメな走者をためるやり方で焦り出した。点差はどこまで頭にあったのか。
ベストを尽くして打たれるのは仕方ない。でもエーっ? と拍子抜けするような打たれ方や、なぜ? というプレーが続いては勝てません。この日の7回1死の守りもそう。佐野の二ゴロで完全な4-6-3と思われた場面で、木浪の一塁送球が明らかに緩んで併殺崩れになった。結果的に点は入らなかったけど、手を抜いた送球と言わざるを得ません。歴代の優勝チームを見ても、強いチームはスキが少ないから勝てる。阪神はこういう野球を続けていては、どんどん巨人に引き離されてしまいます。ズルズルいってしまいます。(日刊スポーツ評論家)
桧山さんコーチか監督やってみませんか
今の阪神のコーチ、スコアラーは仕事しろ https://twitter.com/fukudasun/status/1303685224912416770 …