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 「阪神紅白戦、白組7-3紅組」(7日、かりゆしホテルズボールパーク宜野座)

 フルスイングではなかった。それでも初めてスコアボードに「H」のランプを光らせた一日でもあった。実戦6打席目に飛び出した“プロ初安打”。ただ、会心の当たりではなかっただけに、阪神のドラフト1位・佐藤輝明に納得の声はない。

 「別にただのセカンドゴロなんで、シーズンだったらいいんですけど、もっと内容の濃い打席に次からはしていきたいと思います」

 ハイライトは4点を追う六回1死一塁の第3打席。カウント1-2から谷川が投じた4球目、133キロの落ちる変化球にうまく反応。弾んだ打球が一、二塁間を破り、チャンスを拡大させた。

 谷川からは2年前にも安打を放ったことがある。19年3月7日・プロアマ交流戦(鳴尾浜)。近大の「4番・三塁」で出場した佐藤輝は右腕から先制適時打を記録。阪神の投手から打った“初安打”でもあった。これも何かの縁だろうか。

 剛速球にも真剣勝負で立ち向かった。四回には藤浪と対戦。初球から積極的にスイングする佐藤輝に、右腕からはオール直球勝負。155キロ直球で空振り三振に倒れた。

 「速いのもそうですけど、(直球が)曲がったんでシュート気味に」と藤浪の球筋に衝撃を受け「(球に)あわせに行くのは嫌なんで、しっかり振って次は打ちたい」と“リベンジ”を誓った。

 リーグ2連覇中・巨人の横川スコアラーは「打撃練習を見ていても飛ばす力というのは、うちの岡本より飛ばすんじゃないかというくらい飛ばす」とアーチストとしての資質の高さに言及。警戒度もより強まっている。

 9日にはいよいよ初の対外試合・日本ハム戦を迎える。ここからさらにギアを上げていきたいところだ。「しっかり結果が出るように」。この日は3打数1安打。誰もが認める結果を残すため、一球、一打席に集中する。

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