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<日本生命セ・パ交流戦:阪神6-1ソフトバンク>◇4日◇甲子園

雨上がりの甲子園で「雨柳さん」が笑った。阪神青柳晃洋投手(27)が「日本生命セ・パ交流戦」のソフトバンク戦に先発し、8回1失点で4勝目を挙げた。今季は甲子園で予定した先発が雨で3度流れ、今回も開始1時間前まで降り続いた。ようやくやんで、今季初の聖地で7回まで無失点とスイスイの投球だった。チームは白星と黒星が交互に15試合続き、連敗しない強さをみせて首位キープだ。

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待ちに待った甲子園。青柳が雨にも、ソフトバンクにも勝った。「ずっとビジターばっかりだったんで、多くのファンの方の前で投げられたのは、すごく良かったなと思います」。今季最長の8回を投げて6安打1失点。雨に3度阻まれ、やっと立てた聖地のマウンドで4勝目をつかんだ。

初回は3者凡退と最高の立ち上がり。2回は先頭の柳田に中前打を浴び、中村晃に四球を与えるも、後続を打ち取った。直後の2回1死一、二塁の攻撃。青柳に打席が回ると、球場に流れたのは徳永英明の「レイニーブルー」だった。「1打席目、自分でも笑っちゃいました」。雨上がりの空に名曲のメロディーを響かせ、犠打も初球できっちり成功。近本の2点適時打につなぐ役割を果たした。

「雨柳さん」のニックネームで呼ばれ、球界屈指の雨男として知られる青柳。そんな右腕にぴったりの打席登場曲を選んだのは、先輩の岩崎だった。「8回の男」として貢献してきた左腕は、蓄積疲労のためこの日に出場選手登録を抹消された。

「岩崎さんがいないというのもありましたけど、他のピッチャーも登板過多になっている。先発が1イニングでも多く投げたらチーム的にもいいですし、ピッチャー陣もよく回れるかなと思った」

その言葉通り、走者を出しながら粘り強く、投じたのは今季最多の122球。失点は8回に浴びた栗原のソロのみ。強力打線を手玉に取ったシンカーもツーシームも、最後までキレは変わらなかった。

今季はここまで3度の甲子園での先発が予定されたが、全て雨で流れていた。この日も朝から雨が降り続いていたが、午後5時前にやんで“4度目の正直”での快投。矢野監督も「もちろん結果を見ても素晴らしかったし。クイックで投げたり、長く持ったり。トータルですごく良くバッターのことが見えている感じがした」とたたえた。

「先発ピッチャーはほとんど助けてもらうことばっかり」と話す右腕が、リリーフ陣もチームも助けた。白星と黒星が続く“オセロ”で連敗を阻止。夜空の下のお立ち台で、晴れやかな笑顔を見せた。【磯綾乃】




青柳さん甲子園初めてだったんだね😯 ホーム初勝利おめ‼️



「やっと甲子園(ホーム)のマウンドに帰ってこられました」の意味が一人だけ違う男、青柳晃洋


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