左足首の手術から復活を目指す阪神・糸井嘉男外野手(38)が19日、沖縄・宜野座キャンプで今季矢野監督が抱く「糸井1番構想」に意欲を見せた。23日に広島とのオープン戦(沖縄)で今季初出場の予定。198日ぶりの実戦に向け、「打順はどこでもやりがいを感じてやりたいですね」と力を込めた。
昨年は8月9日の広島戦(京セラD)で走塁中に左足首を負傷。腱(けん)に若干の損傷が判明し、10月中旬に手術を受けた。それでも、今月18日には術後初めてシートノックに入り、右翼の守備へ。この日は全体練習の中でベースランニングをこなし、ランチ特打では69スイング中18本のサク越えを放った。「試合に出られるかもしれないところまで来たので、それがうれしいです」。当日は「1番・右翼」で出場の見込みだ。
20年版猛虎打線の目玉は「2番・近本」。攻撃的2番の前を打つ候補は他にも糸原、木浪らがいるが、指揮官は「嘉男の1番はあると思う。1番に入ったら相手も嫌だろうし」とニヤリ。98年に和田豊が35歳で開幕1番を務めたが、オープン戦の結果次第では球団史上最年長の開幕1番打者が誕生する可能性も。足と長打を兼ね備えた“イトチカ”は相手の脅威になるだろう。
昨季糸井が1番で先発したのは出場103試合中1試合だけだが、日本ハム時代から経験の多い打順で目標の盗塁王にも近づくことになる。東京五輪の影響で開幕が早いため、17年の阪神移籍後最速の初実戦。帰ってきた超人が待望の時を迎える。(中村 晃大)