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 阪神のドラフト3位・木浪聖也内野手(24)=ホンダ=と同1位・近本光司外野手(24)=大阪ガス=が28日、開幕戦の舞台となる京セラドームで最終調整した。「1番・遊撃」と「2番・中堅」での先発出場が濃厚な2人。新人W開幕スタメンは球団史上47年ぶりで、1、2番は史上初だ。“キナチカ”コンビが14年ぶりのV奪回へ口火を切る。

 報道陣に囲まれた木浪の様子はさすがにいつもとは違った。開幕を翌日に控え、言葉は少なく、緊張感を漂わせていた。その中で明かしたのは、自分の役割を全うする考え。「早めに1本(安打を)というよりは、1番(打者)の仕事っていうのを考えてやっていきたい。出塁?そういうことです」と力を込める。

 誰が1番遊撃・木浪の開幕スタメンを予想できただろうか。キャンプで実戦を重ねるごとに評価を高め、オープン戦が始まると勢いは加速。99年以降の新人でオープン戦最多となる22安打を放ち、鳥谷、北條らを押しのけて開幕ショートの座をつかみ取った。

 プロとして初めて迎える開幕戦。「緊張はすると思うんですけど、準備というのはちゃんとしていきたい」とうなずく。ヤクルトの開幕投手・小川とは初対戦。それでも「イメージはできていますね、はい」と気後れする様子は全くない。

 近本とともに、球団史上初の新人1、2番コンビを形成。1950年の2リーグ制以降、阪神で新人2人が開幕戦で先発するのは、72年の1番二塁・中村勝広、3番左翼・望月充以来、47年ぶりとなる。「出塁という意味では、自分より足を生かせる。心強いですね」と、直後に控える同期で同い年のドラ1へ、信頼は厚い。

 「開幕出られたら最高やん。ルーキーで」と目を細めた矢野監督。「今までやってきたことを目いっぱい、失敗を怖がらんとか積極的な姿勢とか、そういうものは欲しいなと思う」と注文をつけた。

 その言葉に応えるかのように、「積極的に行く姿勢を変えるつもりはない」と木浪は言い切った。小川の初球から思い切って強振するのか。ルーキーのそのひと振りが、チームを勢いづける。



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