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 阪神岡田彰布監督(64)が高知・安芸での秋季キャンプ第3クール初日の10日、三塁走者のギャンブルスタート練習を敢行した。最短距離で本塁へ突入させる母校の早大式に加え、ホームベースの下部分の三角形を目標に滑る岡田式を徹底させた。コリジョンルールへの対応も踏まえ、接戦や終盤のワンチャンスで貪欲に1点を取る戦術。得点力アップを目指す岡田野球は緻密で繊細だ。

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 どうしても1点が欲しい場面。岡田監督もギャンブルスタートを敢行する。走者三塁で、バットでボールをとらえた瞬間に本塁へスタートする“ゴロゴー”。指揮官は最短距離の直線突入を命じた。「ちょっとでも真っすぐいける道を探さなあかん。微妙やろ。何センチか分からんけどな。真っすぐいくのと、斜めから入っていくのと。オレらの時もやったがな。大学の時に。早稲田戦法や!」。母校で身につけたお手本走塁をナインに伝授した。

 三塁から本塁まで一直線で突入するメリットは最短距離だけではない。「捕手に(走者の)距離感が分からんようにするやんか。(もし空振りで三塁ベースに)戻るのもな、背中に当たるやんか。(捕手からの)スローがな」とニヤリだ。

 「ほんま紙一重やから。0点何秒かの差でアウト、セーフになるんやからな、結局」。コリジョン対策も兼ねていた。本来、ライン上から一番近いのはホームベースの左上の端だが、すぐ前には捕手が待っている。そこで、ホームベースの下部分の三角形を狙わせる。捕手がタッチする時に一番遠くなるとの理論からだ。筒井外野守備走塁コーチは「最短でベースに触れるのが一番だけど、打球が二塁の定位置から右翼寄りになればなるほど追いタッチになりやすい。そういう状況でどういう身のこなしができるかが1点を争う中で大事」と補足した。

 この日は本塁ベースの大半を黒い布で隠し、目標の下の三角形だけが見えるようにして走塁練習。筒井コーチが捕手役でタッチにいったが、どの選手も白くわずかに見える三角形を目掛けてセーフの突入を繰り返した。現在はリクエストでのリプレー検証があるため、タイミングはアウトでもタッチをかいくぐればセーフになる確率が高い。

 今季の総得点489点はリーグ5位。完封負けは球団史上最多の26度も食らった。岡田監督は「安打や確実に外野フライ(犠飛)打ってくれたらええねん。打撃技術を上げた方が早いかもわからん」と、ギャンブルスタートに頼らない点の取り方がベストと笑った。だが、4年連続盗塁数リーグ1位の機動力を緻密に活用すれば、得点力アップは間違いない。岡田の兵法は、奥が深い。【石橋隆雄】

 ○…今秋就任した和田2軍監督が安芸の秋季キャンプに合流した。早出特守では熊谷らを指導し、打撃練習では前川に声をかけるなど精力的にコミュニケーションを取った。「まだ(キャンプが始まって)1週間だけど、選手は力強くなっている。(走攻守)すべてを見たい」と13日までの滞在で積極的に目を配る。岡田監督は「あいつも(現場が)久しぶり。(安芸にいる)半分くらいが(来年は)2軍に行くメンバー。見ておかないと」と力量や課題の再確認を求めた。

https://news.yahoo.co.jp/articles/7692e1867e2c44d939d7d825954c5e9ca3b20ed1


【阪神】岡田彰布監督「早稲田戦法や」ギャンブルスタート練習敢行 最短距離での本塁突入指令(日刊スポーツ) - Yahoo!ニュース こう言うのが岡田さんの真骨頂  https://news.yahoo.co.jp/articles/7692e1867e2c44d939d7d825954c5e9ca3b20ed1 


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