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 対岸の火事ではない――。沖縄・宜野座で行われている阪神春季キャンプは12日に第3クールが終了したが、中日・松坂がキャンプ地でファンに右腕を強く引っ張られた結果炎症を起こし、当面、ノースロー調整を余儀なくされた一件で、チーム内には“厳戒モード”が広がっている。

 この日、メイングラウンドからサブグラウンドに至る「選手用の動線」と「ファン用の動線」は明らかに前日よりも離れた場所に設置された。球団関係者は「松坂の件は当然把握している。混乱を避けるための措置」と説明した。

“マナー違反”の客も一部ながらいるようだ。別の球団スタッフは「同じ選手に何度もサインをねだるような不自然な動きをする方もいる。転売目的と思われても仕方ない。他にもタチが悪いのは子供をダシにしてサインを選手から狙うパターン。混乱が起きて将棋倒しなどが発生した場合を考えると、一番危険にさらされるのは、その子供たちなのに」と心配顔だ。

 現在、宜野座のキャンプ地は球団サイドが選手用の動線とファン用の動線を緻密に設定しており、大きなトラブルは起きていないが「数年前までは、動線の設定が現在に比べ甘かった。選手が移動中にファンに取り囲まれ、色紙の角で頬などを傷つけられることもあった」という。

 今キャンプでは「タイガースファンを喜ばせたい」という矢野監督の信念の下、例年以上に選手個々のファンサービスが活発。「監督が率先してやってらっしゃるから」と能見が30分以上サインを書き続ければ、それに促される形でドリスや新加入のガルシアに西、若手右腕の才木などもファンとの交流に積極的に取り組んでいる。球団スタッフもそのような状況を細やかにケアし、トラブルの防止に細心の注意を払っているが、こればかりはファン一人ひとりの良識に頼らざるを得ないところが大きいのも事実だ。

 矢野監督は、第3クールを「野手陣の仕上がりは順調。投手陣は課題がいくつか出たが、それ自体はいいこと」と総括。今後も大きなトラブルに見舞われることがなければいいが――。 

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190213-00000034-tospoweb-base

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