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 ◇セ・リーグ 阪神9ー5ヤクルト(2021年3月27日 神宮)

 阪神の怪物ルーキー・佐藤輝明が初回、プロ初安打となる1号2ランを放った。バックスクリーンへの特大弾。阪神OBで通算474本塁打をマークしたスポニチ本紙評論家の田淵幸一氏は、その衝撃のバッティングに最大級の賛辞を送った。

 何という大物だろう。新人であそこまで飛ばす選手がいるのか。甘いボールではあったが、打った瞬間にそれと分かる豪打だった。堂々とした風貌に勝負強さがにじみ出る面構え。佐藤輝は阪神にぴったりの顔だと思うし、何かやってくれる、という雰囲気が漂う。

 ホームラン打者の特長を端的に表すフォームをしている。打ちにいった際、絶対に頭が投手側に突っ込まない。軸足である左足に体重が残り、のけ反ったような形で強烈にボールを叩く。ソフトバンク・柳田と同じタイプで、頭が残るから逆方向にも打てる。初球も積極的に打ちにいってファウル。追い込まれるまで好球必打、フルスイングを貫く姿勢も似ている。長距離打者としての強い自覚を感じる。

 バットの握りからも長距離砲としてのこだわりが伝わる。佐藤輝は右手の小指を余らせ、グリップの先端に掛けて握っている。私の現役時代も同じだった。バットを長く持つことで遠心力でヘッドがより走り、ほんの数センチだが外角球にバットが届く。これも逆方向への一発を生み出す要因の一つだ。

 今でも忘れない。私のプロ初アーチは開幕3戦目。甲子園での大洋(現DeNA)戦のダブルヘッダー2試合目で、1試合2本塁打を放った。佐藤輝はどこまでいくのか。私の1年目の本塁打数22本はもちろん抜くだろう。長嶋茂雄さん(巨人)の29本、新人最多記録の清原和博(西武)の31本の更新をぜひ狙ってほしいと思う。バットに当たればスタンドへ。こんな魅力的な選手はなかなか出てこない。




田淵幸一 .260 1532安打 474本塁打 本塁打王1回 佐野仙好 .273 1316安打 144本塁打 岡田彰布 .277 1520安打 247本塁打 木戸克彦 .230 505安打 51本塁打 今岡誠 .279 1284安打 122本塁打 首位打者1回 打点王1回 鳥谷敬 .279 2090安打 138本塁打 伊藤隼太 .240 154安打 10本塁打



大御所からも太鼓判です。 田淵幸一氏 阪神・佐藤輝はフォームも心意気も本物の大砲 清原の新人本塁打記録狙え!― スポニチ Sponichi Annex 野球  https://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2021/03/27/kiji/20210327s00001173628000c.html 


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