阪神のドラフト1位・森木大智投手(18)=高知=が19日、鳴尾浜でキャッチボールの際に、パドレス・ダルビッシュやエンゼルス・大谷が実践するドライブラインのプライオボール投げを披露した。阪神入団後から同調整法を開始し「投げる動作の中でインナーが締まる」とケガ予防への効果を実感。米メジャーで活躍する“先輩流”で、一流投手への階段を駆け上がる。
ベースランニング終了後、キャッチボールに向かう森木の右手には“新兵器”があった。米国のトレーニング施設「ドライブライン」が考案したプライオボールだ。赤色の225グラムのボールを最初に数球投じ、その後、通常の硬球に握り替える姿が見られた。
高校時代には実践してこなかった調整法で「入寮する時に自分でボールを買いました」と明かす。なぜ、練習に取り入れようと思ったのか-。きっかけは、米メジャーで躍動する日本人投手に影響を受けたからだ。
「ダルビッシュ選手が使っているのは知っていたんですけど、大谷翔平選手も使い始めて去年、いい結果が出たことも知っています。試してみたいなという興味本位です」
森木は約100グラム~約2キロと重さの異なる6種類のプライオボールを持っており、これらのボールを投げることで肩肘の強化やメンテナンスを主な目的としている。この日は3番目に軽い225グラムを使用したが、確かな効果を実感する。
「リリースのタイミングも分かるし、投げていくことでインナー(遅筋)が締まる感じがする。インナーを締めることはケガ予防にもつながる。ケガをしないことが一番です」
春季キャンプにも「たぶん持っていくと思います」と持参する予定だ。キャッチボールの後は、2度目のブルペン入り。捕手を立たせたまま18球投じ、うち8球はカーブを披露した。「カーブが僕の中では特効薬。状態を良くするための一番いい球だと思う」と“森木流”を明かした。
動画でもブルペンでの投球映像を確認し、軸足の位置や右膝の折れ方など細かく確認した。一つ一つの行動から、野球への高い向上心が垣間見える森木。“ダル&大谷流トレ”で己をさらに高めていく。