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<ニッカンスポーツ・コム/プロ野球番記者コラム:21年キャンプ編>

阪神大山悠輔が手元のタブレットを凝視しながらタクシーに乗り込もうとしていた。20日の午後1時過ぎ、1軍キャンプの残留練習組を取材していたタイミングだ。若手主体のメンバーが北谷で中日戦を戦い始めた時間帯。宜野座はどことなくのんびりムードが漂っていたので、気軽に声をかけさせてもらった。

ニッコリ笑顔でシェアしてくれた画面には、1回表の攻撃が流れていた。3番佐藤輝明がタイムリーを放つと「また打った。すごい!」。4番井上広大が打席に入ると「4番の雰囲気、出てますよね」。佐藤輝が好走塁を決めると「あっ、走った。ナイス!」。新主将は残留組でも気持ちを切らさず、心だけは北谷に“遠征”させていた。

昨季28本塁打の主砲は12日紅白戦で腰背部に張りを感じ、以降は実戦出場を取りやめている。1度ペースを落としてでも体を整える。苦渋の選択からは並々ならぬ覚悟が感じ取れる。虎の背番号3といえば常に謙虚で危機感を忘れないイメージが強い。本音は「休みたくない」だったのでは? 勝手な想像をぶつけると、大山はキリリと表情を引き締め直した。

「今まではどこかが痛いなんて言える立場ではなかったですしね。今回もシーズン中だったら絶対にプレーさせてもらっているレベルです。でも…」

ここから先の言葉はわざわざ確認するまでもない。入団5年目。不動になりつつある4番打者。そして今季から野手キャプテン。チーム内の立場も鑑みて、長いスパンでチームを支え抜くための決断を下したのだろう。言葉の節々から責任感がにじみ出ていた。

この2年間、チームは若返りを推し進めている。19年シーズン終了後に鳥谷敬が退団。20年オフには福留孝介、能見篤史も他球団に移り、藤川球児、上本博紀は現役引退した。大山はまだ26歳ではあるが、実績、肩書も含めて一気に野手のチームリーダー格の1人となった。16年ぶりのV奪回へ、いかにチームをまとめあげるか。自問自答の日々は既に始まっている。

「去年もそうですけど、糸原さんとかがベンチでもだいぶ盛り上げたりしてくれるんです。それは本当にありがたい。あとは…福留さんがやってくれていた役割をどうするか、ですよね。チーム全体を締めないといけない時にどうするか」

シーズンは長い。どんなチームにだって当然、波はある。若さと勢いで突っ走れる時期があれば、何をやってもうまくいかない時期もあるだろう。そんな時、昨季までなら福留が野手の精神的支柱でいてくれた。

時には誰もが言いたくない厳しい言葉を率先して仲間に伝える。沈みがちな雰囲気が漂えば、闘志あふれるプレー、言葉でナインを鼓舞する。圧倒的な実績を持つレジェンドだからできた役割を、今季は誰かが引き継がないといけない。

頂点を目指す上で避けては通れない「ポスト福留問題」。もちろん、特定の1人だけに「引き締め役」を託すのは酷な話だ。大山は「梅野さんたちもやってくれるとは思いますけど…」とイメージしつつ、自分も役割の一端を担う決意を固めているように映る。先輩任せにするつもりは毛頭なさそうだ。【遊軍=佐井陽介】




自分の現状を理解した上で、チームの今後まで考えてる大山さん、本当に人間として出来すぎているなあと思う…大山さんがキャプテンとなる阪神、絶対良い方向に行く 阪神主将大山は「ポスト福留問題」から目を背けない(日刊スポーツ) - Yahoo!ニュース  https://news.yahoo.co.jp/articles/db5583c5c636516609443db54274734b590df835 



大ベテランの穴は、オレが埋める! 阪神主将大山は「ポスト福留問題」から目を背けない  https://www.nikkansports.com/baseball/column/bankisha/news/202102240000198.html?utm_source=twitter&utm_medium=social&utm_campaign=nikkansports_ogp 



キャプテンが強くて優しくて器がデカ過ぎて感動😳 阪神主将大山は「ポスト福留問題」から目を背けない(日刊スポーツ) #Yahooニュース  https://news.yahoo.co.jp/articles/db5583c5c636516609443db54274734b590df835 


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