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 阪神春季キャンプ(7日、沖縄・宜野座)ドッカーーン! 阪神のドラフト3位・木浪聖也内野手(24)=ホンダ=が7日、初実戦となる紅白戦(宜野座)に紅組の「7番・三塁」で出場。7-7で迎えた最終回の六回に新人では12球団最速弾となる決勝3ランを放った。両軍合わせて25安打17得点の乱打戦に矢野燿大監督(50)も「いうことない」と大満足。甲子園でも、こんな打ち勝つチーム待ってるで!

 快音とともに、曇天の宜野座にアーチを架けた。殴り殴られ、また殴り返しの初実戦。最後の最後で勝負を決めたのは木浪だった。しかも、新人では12球団最速というおまけつき。緊張の面持ちながら、胸を張って、ダイヤモンドを一周だ。

 「皆さんすごい、打つなというイメージで。最後、反応ですけど、インコースの球を打てたので本当によかったです」

 おいしい場面を逃さなかった。7-7で迎えた六回2死一、二塁。カウント1-1からの3球目、守屋が内角に投じた144キロ直球を振り抜いた。打球は高々と上がって右翼の芝生席中段へ着弾。まさに、打った瞬間。雨予報の中、詰め掛けた4700人の虎党から割れんばかりの拍手を浴びてのハイタッチだ。

 沸かせたのは最速アーチだけではない。0-0の二回無死一塁。プロ初打席でいきなり、バットを寝かせた。投前犠打で、一挙7得点を呼び込む。試合を通してノーサインを貫いた矢野監督は思わず「俺は打って欲しかったのよ」と苦笑いだったが、木浪は「小技もできるということを見せたかった。自分でちゃんと準備して、やれるかというのを考えてやったので。1球で決められてよかった」としてやったり。社会人のホンダ時代は1、3番を任されており、つなぎ役とは、ほぼ無縁。プロで生きていくために、宜野座でもコツコツとマシンを相手にバント練習を繰り返した。

 送ってもよし。ツボに入れば放物線も描ける。新人らしからぬ潜在能力の高さに周りも黙っているわけにいかない。両軍合わせて17得点。指揮官は「これぐらい、どんどん打ってほしい。みんな打ったんでね。いうことないんじゃないですかね」と手放しに喜んだ。

 木浪の目下の目標は北條や鳥谷らとの激しい遊撃争い。ライバルと比べ、打力で劣っているとみられていただけに虎将も「打撃でアピールできたのはチャンスは広がりますよね」とうれしい悲鳴。キャンプインに際し、「切磋琢磨はいらない。バチバチに」と送り出した効果が表われた。

 「(自己採点は)70点ぐらいですね。守備でどこでも守れることがウリだと思う。守備から入って、打席でチャンスがあったら思い切りスイングしていきたいです」

 17年ぶり最下位となった昨季はチーム打率・253とセ・リーグ5位(最下位はDeNAの同・250)。広い甲子園でも打ち勝てる役者たちは、いる。この日の木浪が、そう。猛虎打線復活を彩る矢野チルドレンが、早くも出てきた。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190208-00000013-sanspo-base 




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