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<阪神5-1中日>◇25日◇甲子園

ぞっとした。4回、木浪聖也が打球を追って背走。捕球した後に転倒した場面だ。首を支点にして顔面をグラウンドにこすりつける形で前方回転した。ちょうど見ていたモニターというかサンテレビのカメラがしっかりとその場面をとらえていた。顔面は衝撃で真っ赤になり苦悶(くもん)の表情を浮かべて、倒れ込んでしまう姿が映った。これはまずい。ストレッチャーまで運び込まれたのも無理もないシーンだった。

しかし、さすがはアスリートというかプロというか。一般人なら大けがをしていてもおかしくないと思ったがその後も普通にプレーを続けた。試合を終える27アウト目の遊ゴロもキッチリ処理した。

野球に「たられば」はないが4回、先発高橋遥人はこの試合2度目となる連打を浴びている。もしもあの当たりを木浪が取っていなければどうなっていたか…。一瞬ヒヤリとさせた後、守備に戻った木浪に対し、亜大の後輩である高橋がぺこりと頭を下げていたのが印象的だった。

その場面を見て、ルーキーだった昨年の楽天戦からの出来事を思い出した。1点を追っていたその試合、三塁走者だった木浪は誰もが突入できると思った三ゴロで本塁を突けなかった。ベンチで指揮官・矢野燿大から公開説教を受け、涙目になっていたのだ。

その翌日。試合前の守備練習でアクシデントが起きた。ゴロが木浪の顔面を直撃。腫れてしまった。監督にしかられて、打球まで顔に当たって。さぞかし落ち込んでいるだろうと思い、声を掛けた。そのとき言ったことが印象的だった。

「しかられて顔にボールが当たって。いろいろあって自分はツイているなと思いますね。ツイてないと思ったらそこまでなんで」

タフな男だと感じた。いいことばかり起こるなら問題ないが、そんなはずはない。野球も人生もそこは同じだ。マイナスと思う出来事でも、後日に「あれがあったから今の自分がいるのかも…」と振り返る。誰しも経験のあることだと思うが、まだマイナスの時点でそう思えるのは、強い。

木浪は体を張ったプレーを見せ、勝利に貢献した。今後のスタメンをさらに確実にする出来事だった。チームも好調・中日相手に殊勲者続出での快勝。こんな試合を続けていくことができれば、まだ浮上できる。そう思わせた甲子園の夜だった。(敬称略)【高原寿夫】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「虎だ虎だ虎になれ!」)




いや、あれは危険だったよ。 タフな木浪が背走キャッチ、阪神は体張れば浮上可能(日刊スポーツ) #Yahooニュース  https://news.yahoo.co.jp/articles/d15696c41ed0d314c41d314d9428d37c60600500 



@hamakazeseiti 無理して怪我が怖いですね


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