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 阪神・佐藤輝明内野手(22)が、30日に春季一軍キャンプ地の沖縄・宜野座で行われた合同先乗り自主トレに参加。大山とともに三塁の守備位置につき、みっちりと内野ノックを受けた。佐藤輝と大山によるホットコーナー争いは、今キャンプの大きな注目点の一つ。定位置奪取を期し、初めて三塁手として春季キャンプに臨む佐藤輝がどこまでの成長を見せてくれるか、球団内でも注目が集まっている。

 29日はあいにくの悪天候もあり、室内練習場での練習に終始した阪神野手陣だったが、雨が上がった30日は午前中から屋外でのトレーニングに着手。沖縄の地で心地よい汗を流すことができた。内野守備練習では三塁のポジションに佐藤輝と大山が並び立つ形に。互いの動きを意識し合いながら、背番号8と背番号3は約30分、ひたすら黙々と打球を処理し続けた。

 練習終了後の囲み取材では佐藤輝、大山双方に両者へのライバル意識を問う質問が相次いだが「自分は自分のやるべきことをしっかりやりたい」(佐藤輝)、「まあ、しっかり頑張ります」(大山)と大人の対応に終始。ライバル意識をむき出しにすることは控え、静かに火花を燃やした。

 矢野監督や井上ヘッドは「基本線は昨季と変わらず三塁・大山、右翼・佐藤輝」「左翼・大山、三塁・佐藤輝はひとつのオプションにすぎない」とたびたび発言。佐藤輝がこの〝既定路線〟を覆すためには、沖縄の地で相応のインパクトを残す必要があるだろう。

 長くプロの舞台で外野手として活躍した経験を持つ球団関係者は、佐藤輝の外野守備能力を「プロのレベルを基準にしても決して下手ではない。意欲を持って取り組めば、まだまだうまくなる余地はあるだろう」と評価しつつ「ただ、佐藤輝は外野守備にあまり興味がなさそうなんだよね。その代わり、三塁守備に就いている時の意欲の高さや意識の高さには目を見張るものがある」と苦笑交じりに語る。

 ルーキーイヤーの昨年の春季キャンプでは、本職ではない右翼守備に専念した佐藤輝だが「今回は初めて三塁手として臨む春季キャンプになる。プロの高い質量で佐藤輝を鍛え上げれば、相当な成長を見せてくれるのではないか。それだけ彼の三塁守備への意欲と意識は高い」と、前出の関係者も大いに期待を寄せている。

 佐藤輝も大山も、チームの勝利には欠かすことのできぬ強打者。切磋琢磨の春を経て、悲願の17年ぶりリーグ制覇へつなげることはできるか。

東京スポーツ

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