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 キャンプ打ち上げを28日に控える阪神で、頭の痛い問題が発生している。二軍の高知・安芸キャンプで新型コロナウイルス感染者が、終盤に来て大量に出てしまったことだ。

 二軍では定期で行うPCR検査で21日に最初の陽性判定を受けた選手が出た後も、野手を中心に感染者が増加。26日の検査では才木浩人投手(23)、藤田健斗捕手(20)の2人が陽性判定を受け、計7選手の感染が明らかになっている。

 該当選手はすでに隔離措置を取っているが、球団はキャンプ最終日となる28日の練習中止を決定。今後はチーム内での感染拡大に歯止めをかけるべく、帰阪せずに一定の期間はキャンプ地・高知にとどまる。

 この日、沖縄・一軍キャンプに帯同している嶌村球団本部長が、オープン戦が行われた浦添で対応。「このような状況となり、安芸市や球場に来場を予定されていたファンの皆さまに深くお詫び申し上げます」と謝罪。今後は管轄の保健所とNPBと連携を取り、その都度、対応を決定していくという。

 影響は、今後の一、二軍のチーム編成においても〝障害〟となることは避けられない情勢だ。「陰性判定」を受け続けている二軍の選手も高知にとどまることで、3月4日開始予定の教育リーグへの参加は不透明なとなった。3月以降に予定されていた一、二軍メンバーの入れ替えも見送ることが確実視される。

 この日のヤクルト戦後、矢野燿大監督(53)は「誰も責めることもできないし、チームとしてこれをどうしていくかっていうことだけ。今すぐ交換とかは…。もちろん(二軍に)見たい選手もいっぱいいるし、オープン戦でこっち(一軍)に呼びたい気持ちもあるんだけど、今日の段階で『じゃあ、こうします、ああします』ということは言える状況にない」と胸中を語った。

 キャンプ終盤のファームを襲ったコロナの猛威。この日行ったPCR検査では二軍関係者全員が「陰性」判定を受け、ひとまずさらなる感染拡大防止へ踏みとどまったが、一刻も早く負の連鎖を〝完全に〟断ち切りたい。

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