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 阪神は27日、兵庫・西宮市内の球団事務所で仕事納めを行った。就任1年目の矢野阪神はシーズン最終盤に奇跡的な粘り強い戦いを見せ、昨季の最下位から3位に浮上した。デイリースポーツでは、2019年阪神の10大ニュースを独断で選んだ。

 (1)近本ミスター超え159安打&盗塁王

 (2)原口大腸がんから戦列復帰

 (3)最終盤奇跡の6連勝で2年ぶりCS進出

 (4)鳥谷が退団

 (5)藤浪7年目で初のシーズン未勝利

 (6)高山代打サヨナラ満塁弾

 (7)梅野サイクル安打&補殺日本記録更新で年俸1億円

 (8)メッセンジャー日本で引退

 (9)横田が現役引退

 (10)ドラフトで“甲子園の星”大量指名

 ◆近本ミスター超え159安打&盗塁王

 虎に“ミスター超え”の新星が現れた。ドラフトでは外れの外れ1位だった近本が、ルーキーイヤーに数々の記録を塗り替える大活躍を見せた。

 キャンプ、オープン戦を通じ、俊足を武器に存在感を示した。3月29日、ヤクルトとの開幕戦(京セラドーム)は「2番・中堅」でスタメン出場。六回の第3打席でプロ初安打初打点となる、右中間を破る適時三塁打を放った。そのままレギュラーに定着し、シーズン159安打で長嶋茂雄氏が保持していたセ・リーグ新人最多安打記録を61年ぶりに更新した。

 142試合に出場し、打率.271、9本塁打、42打点、81得点。36盗塁で球団新人では01年の赤星氏以来となる盗塁王を獲得し、チームのCS進出に大きく貢献した。甲子園での球宴第2戦では初回先頭打者本塁打を含む新人初のサイクル安打を達成し、MVPに輝いた。セ・リーグ新人王は39票差でヤクルト・村上に譲ったが、新人特別賞を受賞した。

 7月に第1子の長女が誕生していたことをオフに公表。“2年目のジンクス”打破に挑む来季は父親の自覚を胸に戦う。打率3割、40盗塁、100得点など、各部門で今季以上の数字を目指す。地元兵庫県出身の猛虎の韋駄天(いだてん)が、チームを勝利に導くべくダイヤモンドを駆け巡る。

 ◆原口大腸がんから戦列復帰

 感動的な復活劇だった。6月4日・ロッテ戦(ZOZO)、九回1死三塁。大腸がんを乗り越えて出場選手登録されたばかりの原口が、代打で左越え適時二塁打を放った。

 5日後の9日・日本ハム戦(甲子園)では同点の九回2死一、三塁に代打で登場。中前へのサヨナラ打に虎党も指揮官も涙した。本拠地のお立ち台では「みんな、ただいま!」とあいさつし、「必死のグッチー」のマイクパフォーマンスを披露。出場メンバー最後の一人を決めるプラスワン投票で選出された球宴では2戦連発の大活躍だった。

 がんは1月8日に受診した人間ドックで発覚。手術2日前の同24日に病気を公表し、術後は復帰に向けてリハビリに励む日々だった。シーズン後には進行度が「ステージ3b」で、復帰後も7月まで抗がん剤治療を継続していたことを告白した。

 「治療をしながら仕事復帰やスポーツもできるということを伝えたかった」。来季は主に代打要員ではなく、こだわりを持ち続ける捕手のレギュラーを奪取し、真の完全復活を目指す。

 ◆最終盤奇跡の6連勝で2年ぶりCS進出

 就任1年目の矢野監督は、チームを昨季の最下位から3位に押し上げた。新監督のAクラス入りは82年の安藤監督以来37年ぶり。自力でのCS進出の可能性が消滅した土壇場から、驚異的な粘りを見せた。レギュラーシーズン最終盤を奇跡の6連勝、貯金1で締めた。

 2年ぶり8度目の進出となったCSでも、ファーストSで2位のDeNAを撃破。ファイナルSで巨人に屈した。ブルペン陣は12球団屈指の層の厚さを誇る。課題の得点力不足を解消し、来季こそ15年ぶりリーグ優勝、そしてCS突破で85年以来の日本一に上り詰める。

 ◆鳥谷が退団

 鳥谷が今季限りで縦ジマのユニホームを脱いだ。03年度ドラフト自由枠で入団し、正遊撃手として05年のリーグ優勝に貢献。選手会長、主将としてもチームを支えてきた。17年にはプロ野球史上50人目、球団生え抜きでは藤田平氏以来2人目となる通算2000安打を達成。名実ともに“猛虎の顔”だった。

 667試合連続フルイニング出場、1939試合連続出場の“鉄人”も今季出場は74試合。来季構想から外れ、8月末に球団から引退勧告を受けたが、他球団での現役続行を希望してチームを去った。

 ◆藤浪7年目で初のシーズン未勝利

 藤浪は今季、プロ7年目にして初のゼロ勝に終わった。初めて開幕を2軍で迎え、1軍登板は8月1日・中日戦(甲子園)の1試合のみ。先発で4回1/3を4安打1失点も8四死球と制球に苦しんだ。

 オフは減額制限いっぱい、25%ダウンでの更改となった。秋季キャンプでは山本昌臨時コーチに教えを請い、12月は沖縄で「ドライブライン・ベースボール」の講習を受けるなど、理想のフォームを追求中。来季こそ完全復活を遂げる。

 ◆高山代打サヨナラ満塁弾

 高山が5月29日・巨人戦(甲子園)で代打サヨナラ満塁本塁打を放った。4-4の延長十二回、1死満塁から右越えに劇的な今季1号。同カードでのサヨナラ満塁弾は球団史上初めて。代打サヨナラ本塁打、代打満塁本塁打ともに令和に入ってから12球団初のメモリアル弾となった。

 ◆梅野サイクル安打&補殺日本記録更新で年俸1億円

 梅野が4月9日・DeNA戦(甲子園)でサイクル安打を達成した。正捕手としては123補殺で65年ぶりに日本記録を更新し=同右、球団生え抜き捕手初の年俸1億円に到達した。

 ◆メッセンジャー日本で引退

 10年から在籍したメッセンジャーが今季限りで引退した。日本通算98勝で、5年連続を含む6度の開幕投手を務めた。大のラーメン好きで、虎党からも愛された“サムライ”だった。

 ◆横田が現役引退

 17年2月に判明した脳腫瘍からの完全復活を目指していた横田が引退した。“引退試合”となった9月26日のウエスタン・ソフトバンク戦(鳴尾浜)では、中堅から“奇跡のバックホーム”で感動を誘った。

 ◆ドラフトで“甲子園の星”大量指名

 ドラフトでは1位の創志学園・西純を筆頭に2位で履正社・井上、3位が横浜・及川、4位は東海大相模・遠藤、5位で中京学院大中京・藤田と、甲子園出場経験がある高校生を大量指名した。




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