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(セ・リーグ、阪神7-3巨人、16回戦、8勝8敗、3日、甲子園)ハンターのような鋭い眼光で白球を振りぬき、右中間を真っ二つに切り裂いた。40歳の糸井が反撃の口火を切る適時打を放ち、沈黙していた打線にスイッチを入れた。

「大山が塁に出てくれたので、とにかく自分も繋ぐ気持ちでした。新井良太コーチもお尻をたたいて、打席に向かわせてくれたので、良い結果につながりました」

0-3の六回、先頭の大山が中前打を放ち、この日、チーム初出塁。代打で打席へと向かう前、新井打撃コーチからお尻をたたかれ、さらに気合が入った。好投・戸郷に対し、フルカウントまで粘ると、6球目の外角直球を強振。痛烈なライナーで適時二塁打とした。

自身、8月27日の広島戦(マツダ)以来のタイムリー。ここぞの集中力が光るベテランに矢野監督も「3点差ついたし、(糸井)嘉男にランナー一塁のところで、何とかつなげてもらうというところで、最高の形でつなげてくれた。よく打ってくれました」と、賛辞を惜しまなかった。

後半戦の代打での打率は・364(11打数4安打)で、3打点。好調の要因を問われ「自分というよりはみんなで勝とうという気持ちだけなんで」と語った。プロ18年目を迎えてもなお、早出で汗を流すことを日課としている超人は、仲間と一緒に常に戦っている。

「これからもまだまだ大事な試合は続くので。毎日、最高の集中でみんなやっているので、明日も頑張ります」

虎がどんな逆境に立たされても簡単に倒れないのは、最後の砦として背番号7がいるからだ。(織原祥平)




代打で打席立ったときの糸井さん、めちゃくちゃ心強かったな



阪神・中野、大山の活躍ももちろん大事だが、6回に代打糸井がタイムリーで1点目をきっちり取り返したところが熱かった バッテリーの思い通りにさせず、フルカウントで1塁ランナー大山を帰せる技術は美しい


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