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 阪神のドラフト1位新人、佐藤輝明内野手(21)=近大=はコロナ禍さえもプラスに変える強運の持ち主だ。

 猛虎待望の長距離砲としてキャンプから話題を独占している大型ルーキーは10日、「6番・三塁」で先発した広島とのオープン戦(甲子園)で3安打の固め打ち。5回にはスコットの速球を左中間に運ぶ本拠地初本塁打で大きな拍手を浴び、「阪神ファンの皆さんの前で打った一本。特別なもの」と感慨を込めた。

 他球団スコアラーは「広い甲子園の最深部に打ち込んだ。改めてパワーはすごい」とため息。実戦16試合で打率・372、4本塁打、13打点と勢いが止まらないが、今のところ在阪メディアは意外なほど冷静だ。テレビ局関係者は「コロナ禍がいい意味でブレーキになっている」と明かす。

 「例年なら彼が好きなももいろクローバーZのメンバーと対談させようとか、知恵を絞って球団と相談するが、今は感染予防のため過度な接触は期待できない。公式戦で好成績ならもっと取材したいとなるが、今は様子見している」

 過去にも鳴り物入りのルーキーが、大して結果も出ないうちからメディア攻勢を受け、心身とも疲れ果てて潰れていった例は数知れない。佐藤輝がこれだけ打ちまくりながら、球春の“洗礼”を浴びずに済んだ幸運も実力のうち。スターへの階段を順調に上っている。(山戸英州)




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