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 プロ野球の開幕が近づいてきた。新人選手の常套句である「1軍でプレー」。ドラフト支配下指名で12球団の最後に名前を呼ばれた“74番目の男”も決まってそう言っていた。5か月後、その言葉が現実になることを多くの虎党は予想していなかっただろう。

 昨年ドラフト唯一の8位指名選手・石井大智投手(23)=四国IL高知=は、1月の新人合同自主トレでプロでの決意を口にした。

 「ドラフトの中でも支配下なら僕が一番最後で、一番下なのが悔しい。もっと自分の価値を高めていきたい。新人の中で一番活躍したいと考えています」

 沖縄・宜野座の1軍キャンプに参加した時には憧れの藤川球児氏=スポーツ報知評論家=からアドバイスを受けた。同じ四国アイランドリーグplus・高知出身。チームの守護神だったレジェンドのフォームを参考にしており、初めて本人の前でボールを投げた。「フォームのことだったり、クイックとか技術的なところが足りない部分なので、アドバイスを頂いた。自分を助ける技術を教えてくださって、意識してできればなと思っています」。この瞬間、何かをつかんだかのか、右腕の成長は著しいものがあった。

 2月16日の楽天戦(宜野座)は初めての対外試合だったが、3者凡退の無失点。矢野監督は「石井はいいって! 本当に! 度胸もいいし、球の質もいい。面白い存在だと思うよ。勝ちパターンでも十分にあり得るぐらいのものになっていく可能性はある」と大絶賛した。そこから右腕は5試合連続無失点を記録。「JFK」のように“勝利の方程式”の一角になることが、大きく視野の中に入ってきた。

 今月16日のオープン戦・ヤクルト戦(神宮)でプロ初被弾。対外試合で初失点を喫した。それでも指揮官は「全然心配していない。ずっとゼロで来てたし、逆に良かったんじゃない? 評価が下がることはないよ」と合格ラインのまま。この1か月で残した結果はしっかりと信頼に変わっていた。

 そして同23日。開幕1軍が確定的となった石井大。「正直ここまでこられると思ってなかった。開幕1軍に選んで頂けたことをまずしっかり自分の中で受け止めて、結果というより経験をしっかり積んで来年、再来年に生かせるようなシーズンにしたい」。74番から頂点へ。阪神の新人は、ドラフト1位の佐藤輝明内野手(22)=近大=だけじゃない。阪神を背負う守護神になるため“ミニ球児”の下克上はここから始まる。

(記者コラム・森脇 瑠香)

報知新聞社




【阪神】石井大智はミニ球児だ!ドラフト最終“全体74位指名”の雑草派「新人の中で一番活躍したい」(スポーツ報知) 開幕一軍おめでとう! #Yahooニュース  https://news.yahoo.co.jp/articles/e6c8156967a93e741c3ec28c71537f994426af77 



藤川球児2世の石井大智👏🏻👏🏻👏🏻👏🏻


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