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<阪神3-1中日>◇29日◇甲子園

阪神は中日大野に土をつけることができたのは収穫だった。この試合まで大野の対阪神は、防御率0・91が示すように得点することが極めて難しかった。この1勝を来シーズンにつなげたいものだ。

1回の攻撃は大野攻略の1つのヒントだった。近本が一、二塁間を抜き、続く糸原が右中間二塁打で先手をとった。糸原の打席では続けざまのランエンドヒットで大野を揺さぶったのが効果的だった。大野に対して一塁走者近本が足で警戒させたことで、打席の糸原だけに神経を集中させなかった。それが高めに浮いたフォークになってタイムリーになった。うまく1、2番が機能したといえる。

ただ大野に勝ったとはいえ6回で3得点だ。これまでと違って多投した変化球が甘く入ったところをとらえることができたが、やはり大野のストレートを仕留めるような打撃力が今後の課題になってくる。

完投した西勇は京田に浴びたホームラン以外はいつも以上の安定した制球力だった。緩急を使ったピッチングはほぼ完璧で、中日打線に付け入るスキを与えなかった。

チームはファンのためにも2位を確保すると同時に来季をにらんだ戦いが求められる。井上に再び1軍でチャンスを与えるのもあり。植田、熊谷、島田ら足の速い人材を打席に立たせるなど、若手に自信をつけさせながら戦力の底上げを図りたい。

(日刊スポーツ評論家)




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