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<練習試合:阪神4-4日本ハム>◇17日◇沖縄・宜野座

阪神藤浪晋太郎投手(24)が17日、日本ハム戦で19年初の対外試合に先発したが、3回7安打2失点といまひとつの結果と内容だった。

140キロ台後半の真っすぐを“台湾の大王”こと王柏融外野手(25=ラミゴ)や、甲子園のスター対決となった清宮幸太郎内野手(19)らに簡単にジャストミートされたのはなぜ? 元阪神投手コーチで日刊スポーツ評論家の中西清起氏(56)が“宜野座の怪”を解いた。【取材・構成=松井清員】

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藤浪は総じて球質が悪かった。特にセットポジションになった時の真っすぐの多くが、タテ回転ではなくシュート回転。だからスタメンに左打者8人を並べてきた日本ハム打線に、140キロ台後半の真っすぐを簡単にとらえられる結果になった。右投手の球がシュート回転すると威力は落ち、特に左打者にはベース板付近で打ちごろの球筋になる。最速は154キロを計測したが、空振りを奪ったのはフォークの2球だけで真っすぐでは0というデータも分かりやすい。コントロールではなく、球威で勝負する投手が打者に“力負け”してはいけない。

象徴的な場面は、3回に4番王柏融に打たれた右前打だ。内角高めでボール気味の146キロ。そのコースにその球速の真っすぐを投げれば、通常はポップフライか空振りになるケースが多い。打者から見ればホップするような軌道で、バットの下に当たることが多いからだ。でも結果はフルスイングされての弾丸ヒット。続く清宮にも真っすぐを中前に運ばれたが、日本ハムの打者もスピードガンほどの球威を感じなかったと思う。

シュート回転の要因ははっきりしている。セットではフォームが少し開いて横振りになり、手首が立てられていなかった。これではスピンの効いた球質の良い真っすぐはいかない。恐らく今取り組んでいるワインドアップのフォームをまだ完璧にモノにできていないからだろう。本人も課題が分かったのか、登板後もブルペン投球に取り組んでフォームチェックしていた。タテ回転の真っすぐを投げられるように、実戦とブルペンで反復して体に覚えさせるしかない。ワインドアップの時は球質の良い真っすぐが多くいっていた分、課題は明確だ。

今年のタイガースは藤浪のデキに浮沈がかかっているといえる。チームが上位に行くためには1年間ローテを守って、最低160イニングは投げてもらわないと。藤浪が結果を出す、やらなければどうしようもない。開幕までに登板を重ねるごと、課題を消化していくことを期待したい。(日刊スポーツ評論家)

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190217-00486190-nksports-base

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