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 6月19日に公式戦開幕がずれ込んだプロ野球は、ベンチ入り人数などに特別ルールを設ける構えだ。その中で12球団において最も影響がありそうなのが外国人選手枠。従来の4人から5人に増やすことが検討されている。この“恩恵”を一番受けることになりそうなのは、球団史上初の外国人選手8人を抱える阪神とみられるが、一方で“割りを食う”選手が出てくる。チームの将来を考えると、外国人依存は危険な賭けとなる。(山戸英州)

 日本野球機構(NPB)は「感染拡大防止特例2020」と称した新ルールを導入することを決めた。今回の拡大策は11月上旬までに120試合を消化する超過密日程による選手の負担軽減が目的。出場選手登録枠は29人から31人、ベンチ入り人数も25人から26人に増やされる。10日には日本プロ野球選手会との事務折衝で協議され、成立を目指す。

 選手側からすれば1軍でプレーできるチャンスが増えると思えるが、同時に協議されているのが助っ人枠も増やすというもの。出場枠は従来通り(最大4人)のため影響は限定的というが、チーム編成上、助っ人起用を優先する可能性が高まるのだ。その最有力が今季異例の外国人選手8人体制で臨む阪神だ。

 投手5人(スアレス、ガンケル、エドワーズ、ガルシア、呂彦青)、野手3人(マルテ、ボーア、サンズ)を抱え、支配下登録では12球団最多。依存度は高い。

 実際に9日、練習試合の広島戦(マツダ)は3番・マルテ、4番・ボーア、5番・サンズの外国人クリーンアップ。3人とも出場しなかった7日のソフトバンク戦(甲子園)を除いた練習試合の6試合で、外国人5人制を見越していたかのように、この打順を続けている。

 前年最下位のチームを率い、就任1年目で3位となった矢野監督は、2005年以来15年ぶりのリーグ優勝を目指すが、昨季リーグ最少の538得点(1位の巨人は663得点)を解消するためには、何としても破壊力満点の打線を組みたいのが本音だろう。

 だが、その裏では割を食う若虎もいる。筆頭は昨季開幕から105試合目まで4番に座り、全試合出場した大山悠輔内野手(25)だ。今春のキャンプでは広角に打つポイントを会得し、オープン戦で花開き打率・378とリーグ“首位打者”でオープン戦をフィニッシュしたが、それも水の泡となりかねない。

 首脳陣は、好調のマルテを定位置の三塁で起用を選択。7日のソフトバンク戦では、大山を途中から2年ぶりの左翼を守らせた。9日からは2軍戦に出場し、中日戦(ナゴヤ)に左翼で先発。意地の猛打賞を記録し、開幕スタメンを猛アピールした。

 指揮官も「悠輔にとっていい時間になる」と話したが、球団OBからは「外野手の高山もそうだが助っ人、計算の立つベテラン選手を優先起用するとそのひずみは必ず来る。短期的にはいいが、中長期的にはチームの軸が育たず影響が出かねない」と心配する。

 この日は高山俊外野手(27)が8回に1打席だけ、江越大賀外野手(27)はサンズの守備固め。中谷将大外野手(27)は7日の2軍広島戦で、2打席連続アーチを放ったが、なかなか出番は回ってきそうもない。

 多くのスコアラーが「外国人選手は、始まってみないとわからない」と声をそろえる。新戦力のボーア、サンズのバットが不発に終わるようだと、チーム成績に直結し、スタートダッシュに失敗しかねない。

 9日の広島戦は、昨季4戦3敗、防御率1・18と抑えられた天敵の左腕、クリス・ジョンソンの前にマルテ、ボーア、サンズの「MBS打線」もHランプを灯せず、1-8で完敗した。

 試合後、矢野監督は「シーズンじゃないからよかったが、同じ相手にやられるのは改善しないといけない」と打線に奮起を促した。ただ、ボーア、サンズには「こんな球を投げるんだとか、情報収集はあると思う」と不問。9回まで2人を打席に立たせた意図について、井上打撃コーチも「彼らにとってここは初めての球場。立ちの良さや、反対に気持ち悪い球場もある。(慣れるまで)猶予を与えてあげないと」とかばった。

 コロナ禍で産まれた“超法規的ルール”はさまざまな形で今後、波紋を呼びそうだ。




阪神、危険な“助っ人依存” 大山ら“割りを食う”若手が続出で…OB「ひずみは必ず来る」(夕刊フジ)  https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200611-00000009-ykf-spo  阪神ファンのコメント厳しい…。 大山選手勿体ない…。



阪神、危険な“助っ人依存” 大山ら“割りを食う”若手が続出で…OB「ひずみは必ず来る」(夕刊フジ) - Yahoo!ニュース 大山はサード です使って欲しい 一塁はマルテとボーア併用でいい  https://news.yahoo.co.jp/articles/29a6c626b15afe34bf5fb2ca293c538238cab9a6 


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