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糸井の左中間適時二塁打で同点となりガッツポーズの高城れに
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<阪神6-6巨人>◇5日◇甲子園

阪神が執念ドローで首位を守った。巨人との首位攻防第3ラウンドは先発秋山と2番手藤浪が5回までに6失点。負ければ一日天下の危機で、6回に4点を返すと、7回に代打の糸井嘉男外野手(40)が同点のタイムリー二塁打を放って6-6。2戦連続逆転勝ちで前日首位を奪った勢いそのまま、0-6から驚異の粘り腰を発揮した。

勝ちに等しい引き分けで巨人3連戦は2勝1分け。甲子園を3夜続けて熱狂させた虎の強さが際立った。

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目の前で必死に食らいつく後輩たちの姿に、燃えないはずがなかった。

「絶対に勝ちたい! それだけです」

1点差に迫った7回2死一塁。代打糸井が仲間の熱い思いを受け取った。デラロサに2球で追い込まれてもファウルで粘る。5球目、低めのチェンジアップを勢いよく振り抜いた。打球は左中間を真っ二つ。同点のホームを踏んだ糸原は、雄たけびを上げた。二塁をオーバーランした糸井は、思わず両腕を振り上げた。

先発秋山と2番手藤浪で、5回までに6点のリードを許す苦しい展開だった。だが、2戦連続の劇的勝利で前日奪首した猛虎打線は、全てを覆す底力を身につけていた。6回に中野の三塁打からつなぎにつないで、打者一巡の攻撃で4点をかえした。続く7回もサンズの左前打から敵失、内野ゴロ…。懸命に後ろにつないだ。矢野燿大監督も「うちの野球というか、あきらめない粘り強く全員で。そういう野球ができた結果、追いつけたかなと思います」と驚異の粘りをたたえた。一丸で戦った先に、ベテランの殊勲の一打が待っていた。

若手が躍動するチームの中で唯一の40歳野手。年齢も壁も感じさせないのが「超人」のすごさだ。この日は全体練習開始前に早出特打に参加。佐藤輝、島田、小野寺と、一回り以上離れた仲間たちと一緒に、ひたむきに汗を流した。ベンチでは仲間を鼓舞し、後輩の活躍を心から喜ぶ一方で、原口の姿を見ながら代打としての準備も貪欲に学んでいる。

今回の巨人3連戦の初戦も、7回無死一塁で代打で出場し、中越え適時二塁打で反撃の口火を切り、逆転勝ちにつなげた。どんな時もネバーギブアップの前向きさと泥臭さ。明るくて頼もしい姿が、優勝を目指すチームのムード作りにも一役買っている。

3年ぶりの巨人3連戦3連勝はならなかったが、今カードは2勝1引き分け。その全ての試合で劣勢を跳ね返す強さを見せた。この日は9回2死満塁で近本が中飛に倒れ、サヨナラ勝ちはならなかったが、大興奮のファンも惜しみない拍手を送った。負ければ陥落の一戦で執念ドローで首位を守った。リーグ優勝へ一気に突っ走る。【磯綾乃】

▽阪神糸井 みんな本当にムードがいいし、どんなに点差があってもみんな攻めていく、勝つという思いで一体となって戦えている。全試合もちろん大事ですけど、首位を争う相手として絶対に巨人には負けられないので、チーム全員ですごく気持ちのこもった3連戦でしたし、これからも勝ちに貢献する一打を打てるように頑張ります。




▼糸井嘉男さんのツイート

勝ちたいんやぁ‼︎ pic.twitter.com/6EqMIYUlAT



@itoi7yoshio NICE ヒットです!



@itoi7yoshio かっこよかったです!!!!!!!!!!!!!!!!



@itoi7yoshio ナイスタイムリー pic.twitter.com/Bh2Bd0DWU1


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