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 【トラとら虎】

 阪神の矢野監督は来年2月の1軍キャンプ(沖縄・宜野座)に2軍の4番打者、井上広大外野手(19)を参加させることを明言した。阪神では過去に例の少ない抜擢(ばってき)で、高卒2年目の野手に限れば2012年の中谷将大外野手以来9年ぶりになる。

 朗報を聞いた井上は「上に呼んでもらえるのは、それだけ期待されているわけで、身が引き締まる思いです。一日一日を大切に、いろんなことを学びながら成長したい」と目を輝かせる。

 これがキャンプの話題づくりでない証拠に、首脳陣は春から英才教育を続けてきた。例えばウエスタン・リーグの出場全試合(69)で4番を任せたあたりもその一環。結果、打率こそ・226と低いが、9本塁打はリーグ2位、36打点は同3位。未来の大砲の片鱗(へんりん)をのぞかせた延長線上に今回の昇格がある。

 もっとも、いまはまだ「阪神の井上」より、「履正社高の井上」の方が通りはいいのではないか。昨夏の甲子園大会決勝戦。星稜のエース奥川(現ヤクルト)から放った逆転3ランが、逸材の名を高め、阪神のドラフト2位指名につながった。

 「今季飛躍した大山にもいえるが、阪神の積年の課題は右打ちの長距離打者を増やすこと。井上にもその資質があるから、1軍の首脳陣はそばに置きたくなる。レベルの高い所でやれば成長は早まるかも」と球団OBのひとりはみている。

 もちろん、レギュラーの壁の厚さは本人が一番痛感している。10月にコロナ禍の選手不足でつかんだ1軍デビュー。初安打初打点は達成したものの、通算11打数1安打。何より2軍の投手との球威の違いに驚いた。

 「それでも若い選手は何かのきっかけで急速に伸びる可能性がある」と期待をかける矢野監督。いまのところ進化の保証はないが、ドラ1ルーキー佐藤(近大)とともに、キャンプの見どころになるのは確かである。 (スポーツライター・西本忠成)




一軍キャンプで暴れてください😊期待してます! 阪神・井上、「やんちゃ」に!開幕1軍へキャラ変や - SANSPO.COM  https://www.sanspo.com/baseball/news/20201218/tig20121805030002-n1.html  @sanspocomより


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