1


<侍の宝刀(6)岩崎優>

阪神岩崎優投手(30)は唯一無二の「幻惑フォーム」で重宝されそうだ。東京オリンピック(五輪)の侍ジャパン24選手が持つ武器、ストロングポイントにスポットを当てる連載「侍の宝刀」。野球人生で初めて日の丸を背負う左腕は、その球持ちの良さで世界を惑わせる。

 ◇  ◇  ◇

岩崎は毎冬、素朴な質問をぶつけられる度に頭をかくしかなくなる。

「野球教室とかで子供たちに『どうすれば、そんなフォームになれますか?』って聞かれることがあるんですけど、きちんと答えられないんですよね…」

心優しき左腕は以前、野球少年少女に正解を教えてあげられない切なさを苦笑いで明かしていた。

代名詞は粘り気のあるフォーム。下半身をグッと沈み込ませ、可能な限りリリースポイントを打者寄りに近づける。腕を振り切った後、中指でマウンドの土をかいてしまう時もある。

弾道測定器「トラックマン」を駆使する他球団スコアラーは数年前、岩崎のデータに目を丸くしていた。球速140キロ前半の直球が、打者の体感速度では156キロ。12球団を見渡しても、もっとも打者寄りでボールを離していたのだ。

実はこの「幻惑フォーム」にお手本はない。

「中学校の時なんかは、本屋で野球雑誌を立ち読みして、こういうフォームだったら格好いいのにな、変えたいなって思ったりしていましたけどね」

メカニック形成はすべて独学。だからこそ、唯一無二のスタイルを作り上げられたのかもしれない。

小学校時代の6年間は野球チームに入らず、水泳に明け暮れた。クロールに背泳ぎ、平泳ぎにバタフライ。あらゆる泳法に挑戦した過去を知れば、肩周り、肩甲骨付近の可動域の広さに合点がいく。

野球を始めた清水第四中学(静岡)時代は365日、自主ランニングを継続。清水東高校、国士舘大学でも時には周囲からストップをかけられるほど一心不乱に走り続けていなければ、あれだけ粘り強い下半身は出来上がらなかっただろう。

高校時代は夜になれば、グラウンドで1人シャドーピッチング。棒状のフォーム矯正器具「なげる~ん」を夜遅くまで1000回振り続けた。オリジナリティーあふれるフォームは努力の結晶に他ならない。

高校球児だった頃は甲子園が遠かった。大学2年春から4年秋までは東都2部リーグ、神宮第2球場が主戦場だった。エリート街道の外で懸命に生き残る道を模索し続けた日々が21年夏、東京五輪につながる。

侍ジャパンの稲葉監督は、その「幻惑フォーム」への期待感を隠さない。

「少し腕が遅れてくるような独特の投げ方、スピンの利いたボール。初見でタイミングを取るのは非常に難しいと思っています」

球筋と傾向を頭にたたき込んだ日本人選手でさえ、いまだに戸惑う岩崎スタイル。初対戦となる各国スラッガーが首をかしげる可能性は、高い。【佐井陽介】




阪神、岩崎がオールスター、オリンピックと心配。 でも、昨日のような展開の時に 岩崎、スアレスを使うべきで、 負け試合で、使うべきではないよなー。



青柳選手は月間MVPとれそうだし、近本選手は打率3割で安打数ランキング3位まで来てるし、岩崎選手ホールドついたし、スアレス選手は連続セーブ継続中だし最高


続きを読む