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 “型破り調整”を決断! 阪神は11日、広島との練習試合(マツダ)が雨天中止となり、室内で練習。矢野燿大監督(51)は開幕前最後の実戦となる12日からのオリックス3連戦(京セラ)を、DH制を使って戦う考えを明かした。例年なら投手を打席に立たせ本番仕様で臨むところで、球団19年ぶりとなる異例の方針。打者の状態を上げることを最優先し、19日の開幕巨人戦(東京ドーム)のスタメンを見極める。

 雨天中止による小休止も、総仕上げは続いている。マツダのブルペンと打球音が響く室内を行き来した矢野監督は、開幕前ラスト3試合の戦い方を思案。そして、12日からのオリックス戦で、型破りな決断を下した。

 「指名打者(DH)でいくよ。何がいいかを選択しながら。DHで(野手の)打席数を増やした方がいいかなというところで」

 1度もDHを解除しないまま19日の巨人との開幕戦を迎える。セ・リーグのチームは本番直前、投手を打席に立たせて公式戦を見据えることが通例。阪神がDHを使ったまま前哨戦を終えれば、野村克也監督時代の2001年以来。まさに異例だ。当初は「最後の3試合くらいは投手が(打席に)立って。ただチーム状態で、もう少し野手を打席に立たせたいのならDHで最後まで」と描いていたが、選択は後者。19年ぶりに“常識”を覆す理由は明確だ。

 最近3試合は2得点以下と攻撃陣の状態は思わしくない。3試合連続弾の後は沈黙し、前日10日に15打席ぶりの安打を放ったボーア、そして練習試合再開後は打率・200のサンズについても「もう少しいいポイントで、いいスイングが欲しい」と心配していた。

 各打者の状態を上げることが最優先。また新型コロナウイルスの影響による開幕延期に伴う特例で1人増の5人(ベンチ入りは4人のまま)となる1軍外国人枠の争いも、「4番・一塁」を期待するボーア以外は決着がついたとはいえない。

 出場登録枠も「29」から「31」、ベンチ入りも「25」から「26」に拡大される中、1軍メンバー全体の選抜を含め、DH利用による1日4、5度の打席数を有効活用することで最後の「見極め」を行う。井上打撃コーチも「最終試験じゃないけど。ふるいにかける最後のオリックス戦って部分もある」と力説した。

 12日からは大山の再合流も決定した。マルテとの三塁争いで遅れをとり、9日から2軍戦に出場。外野にも挑戦した25歳に与えられた再挑戦の舞台-。同コーチは「外国人3人がクリーンアップと決まったわけじゃない。悠輔(大山)を使ってみたいというものをどんどんアピールしてくれれば」と期待した。

 本番を見据えた起用や戦術も気になるところだが、矢野監督は「多少増えると思うけど。そんなに(これまでと)大きく変わることはないと思う」と予告。悩み抜いた経緯も語った。

 「投手のリズムもあるのでどうしようかなと思ったけど。投手にも聞いた中で(打席がなくても)大丈夫ということだったので、それやったら(DH制を続ける)」

 最後の突貫工事と大争奪戦。キャンプから続いてきた鍛錬と競争は、大詰めを迎えても終わらない。(安藤理)





阪神・矢野監督は、開幕へ練習試合ラスト3戦も、DH制を使って戦う考えを明らかにしました。打者の状態を上げることが最優先です。本日の大阪サンスポに掲載されています。よろしくお願いします。 #矢野監督 #阪神 #サンスポ大阪整理部 阪神情報はサンスポ  https://www.sanspo.com/baseball/pro/tokushu/tigers.html  pic.twitter.com/IKuy1V29wu


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