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<ニッカンスポーツ・コム/プロ野球番記者コラム>

まだ取材はもちろん会ったこともないけれど、早く日本で投げたくてウズウズしているんじゃないかと、勝手に想像している。阪神の新助っ人右腕アルカンタラの話だ。

新型コロナウイルスの変異種流行を受けて、なかなか新規入国がかなわずにいたが、4日、同じく新助っ人の主砲候補ロハスとともについに来日。2人は出国前、入国後の新型コロナウイルス検査で陰性となり、14日間の隔離期間を経てチームに合流する。

アルカンタラといえば、韓国リーグの斗山で昨季20勝をマーク。まだ28歳と若く、推定年俸200万ドル(約2億1000万円)からも期待の高さがうかがえる。ただ、準備が整えば先発ローテの座が確約されているのかと聞かれれば、誰も首を縦には振れないだろう。

虎は開幕9試合を終えて、6勝3敗でセ・リーグ単独首位に立っている。順調なスタートを切れた要因の1つとして、真っ先に頭に浮かぶのが先発投手陣のゲームメーク力になる。開幕9戦目の4日中日戦を終えた後、矢野監督も「やっぱり一番はそこかな。ここのところ、ずっと先発陣が頑張ってくれている」と褒めたたえていた。

どれだけ安定感があるのか、他球団と比較してみた。今季のレギュラーシーズンは9回打ち切りが決まっているため、リリーフ陣を早めに投入しやすい側面がある。先発陣は5回を投げれば試合を作ったと言える状況なので、「5回以上、自責点3以内」を1つの指標として考えてみた。

阪神先発陣のイニング、自責点は開幕戦から順に以下の通りだ。

ヤクルト3連戦は藤浪5回2失点、青柳5回2/3 3失点、ガンケル6回無失点。広島3連戦は西勇7回1失点、伊藤将5回2失点、秋山7回2失点。中日3連戦は藤浪6回1失点、青柳7回1/3無失点、ガンケル6回1/3 1失点。

「5回以上、自責点3以内」の確率は100%。大崩れする確率は今のところ0%ということになる。

一方、セ・リーグ他球団の「5回以上、自責点3以内」率は巨人が89%、広島が78%、中日、ヤクルトが67%、DeNAが44%。現時点では順位通りの数値となっており、先発陣のゲームメーク力がいかに重要かを再確認させられる。

ちなみに、リーグが違うので一概に比較はできないが、パ・リーグには開幕から全先発投手が「5回以上、自責点3以内」を達成しているチームはいない。やはり先発陣の安定感は虎の大きな武器と表現できる。

先発左腕の柱と計算されていた高橋が右脇腹負傷で離脱し、日米95勝のチェンも調子が上がらず開幕2軍スタート。当初のプランに誤算が生じても代役が結果を出す好循環が当たり前になりつつある。そんな層の厚い先発陣に今後、アルカンタラまで投入される。

新助っ人右腕が実力で居場所をつかみ取るのか、現有戦力がローテの座を死守するのか。ハイレベルな競争がますますチームを活性化させることになりそうだ。【遊軍=佐井陽介】




自慢の先発陣が、幸先の良いスタートを切りました。 アルカンタラも焦る!?阪神先発陣「大崩れ率」0%  https://www.nikkansports.com/baseball/column/bankisha/news/202104050000446.html?utm_source=twitter&utm_medium=social&utm_campaign=nikkansports_ogp 



新型コロナ下ルールでは先発外国人2人が編成として理想的なので、焦りはないのでは。焦るべきはマルテ→アルカンタラも焦る!?阪神先発陣「大崩れ率」0%  https://www.nikkansports.com/baseball/column/bankisha/news/202104050000446.html 


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