文句なし! 阪神の新人合同自主トレ2日目が10日、鳴尾浜で行われた。2003年に20勝を挙げてリーグ優勝に貢献した井川慶氏(43)がCS放送スカイAの生中継の解説を務め、新人の動きをチェック。ドラフト6位・富田蓮投手(21)=三菱自動車岡崎=を大絶賛した。
まだ体を動かして、2日目だ。ブルペン投球もしていない。それでも井川氏には見える。キャッチボールのしぐさだけでダイヤの原石か分かる。
「富田くんでしたっけ?」
新型コロナウイルス感染防止策のため、新人の動きをチェックできる人物は限られている。虎のエースとして、元メジャーリーガーとして、日米通算93勝を挙げた男に新人の評価を聞く報道陣。井川氏はおもむろに「富田」という名を出した。
「富田くんも左投手の子で体が強いんだろうなと思って、でもスムーズに投げていたので、何か、ここを直すとかはないと思うので、このまま力を発揮してほしい」
富田はゆったりとしたフォームから切れのある直球とスライダーやカーブなどを操る。昨年10月に行われたU23W杯(台北)では決勝の韓国戦を含めて4試合に先発して2勝を挙げ、優勝に貢献。計16回で2失点と活躍し、最優秀投手とベストナイン(先発投手)の2冠に輝いた。
「力強さは感じますよね」
井川氏は1998年に茨城・水戸商高からドラフト2位で入団。直球とチェンジアップを織り交ぜる投球で2003年には20勝。リーグ優勝に貢献し、沢村賞にも輝いた。高校時代は腰痛に悩まされたが、虎入り後は大きな故障はなし。02年から3年連続200投球回と鉄腕ぶりを発揮し、大黒柱になった。
「明らかに自分より球が速くてコントロールがあってという選手が辞めていく。危機感をもってやりました」
「力強さ」がなければ練習ができない。もちろん、プロの厳しい世界で残れない。だからこそ、富田の潜在能力の高さにうなった。富田も井川氏の現役時代を「チェンジアップがすごいというイメージ」と語り、絶賛の言葉を聞き、恐縮した。
井川氏は「岡田監督の持っているものをそのまま出せればアレにつながるんじゃないですかね」と期待。富田が戦力になる日は必ずやってくる。(新里公章)
★同い年ロッテ・朗希活躍「刺激になる」
高卒から社会人野球を経由した富田とロッテ・佐々木朗は同い年。昨季、プロ野球史上最年少で完全試合を達成した〝令和の怪物〟について富田は「身長を生かしきった投球やフォーク。刺激になる部分はある」と力を込めた。「佐々木みたいな真っすぐ、フォークといった空振りが取れる球が必要」。まだ21歳。追いつき、追い越す。
https://news.yahoo.co.jp/articles/fda68ddbde101ca76fc3ac2a25818a85c25f1223