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佐藤輝よ、心・体・技だ! 「広島3連覇監督」で日刊スポーツ評論家の緒方孝市氏(52)が1日、阪神・宜野座キャンプを初めて視察した。大物ルーキー・佐藤輝明内野手(21=近大)の打撃に熱視線。「プロの技術を身につけるため、プロの体力を養え」と指摘した。

「ちょっと肩に力が入っていたね。いいところを見せようと力んでいたかもしれんな」。もしも私が監督の立場で佐藤輝についてコメントを求められたら、こう言ったと思う。

期待通りのパワーは見せた佐藤輝。バックスクリーンに放り込む特大弾も見せた。それでなくても熱い阪神メディア、2日付紙面の見出しも目に浮かぶ。しかし、それでファンが「これは楽しみだ」と今季に大きな期待をかけるのは少し気が早いかもしれない。

確かにいいものは持っている。ティー打撃を見ていてもソフトバンク柳田に代表されるパ・リーグの強打者のような力強いスイングをする。実際、遠くに飛ばす力ははっきりと見せた。長距離を打てるというのは天性の資質によるところが大きい。こればかりはそれを持っていない人間はマネができない。

さらに引っ張るだけでなく、センターはもちろん、左方向にスライスしたような打球でもスタンドインさせていた。どの方向にも飛ばせるというのも間違いなくホームランバッターの素質だ。

だが目についたのは体力面の課題だ。阪神の打撃練習はなかなか厳しい。通常練習でも1時間以上、バットを振りっぱなしだ。快音を放った佐藤輝だが途中からバテた印象を受けた。同じ組で高卒2年目の井上も打撃練習を行ったが、こちらの方がペースを変えずに最後までしっかりスイングを続けていた。

それがプロということだ。練習時間が限られているアマとずっと野球をしているプロではその面がもっとも違う。そこに加え、鳴り物入り入団でのキャンプ初日。力が入ってしまうのも仕方がない。だから上体に頼るスイングになり、下半身との連動も悪くなって、結果として余計に疲れることになってしまう。

いずれにせよ打者は実戦を見ないと分からない。まず速いストレートを打ち返せるか。タイミングを外してくる投手にどう対応するか。やるべきことはたくさんある。課題を自覚し、練習でそれを克服していくのだが、そこに不可欠なのが体力だ。よく「心技体」というが順番は「心・体・技」と私は思っている。

野手が本当の戦力になるのには時間がかかる。佐藤輝も例外ではないだろう。いいものを持っているからプロに入ってきた。まずがむしゃらにやって、カベを感じて、それを破ってという繰り返しの日々だ。【取材・構成=編集委員・高原寿夫】




阪神の練習は少ないってとりあえず言ってる勢力が読んだら発狂して死ぬかもしれない記事 緒方さんあざす 阪神佐藤輝明、プロの技の前にまず体力を/緒方孝市(日刊スポーツ)  https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20210201-32010907-nksports-base 


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