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 「現役ドラフト」が9日午後1時より行われる。出場機会に恵まれない選手の移籍を活性化する制度で、日本野球機構(NPB)とプロ野球選手会の数年にわたる話し合いの末、今オフからの導入が決まった。各球団、必ず1人は出て、1人は入る仕組み。結果は同日中にも発表されるが、果たしてどのような制度なのか。Q&Aで紹介する。【企画・構成=古川真弥】

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 Q.どのような形で行われるの?

 A.非公開のオンラインで行われる。12球団が一堂に会し、テレビ中継もある新人選手選択会議(ドラフト会議)とは大きく異なる。

 Q.結果は、どうやって分かるの?

 A.NPBが9日にも、まとめて発表の予定だ。

 Q.どんな選手が指名対象になるの?

 A.各球団が来季も契約する権利を持つ選手が「契約保留選手名簿」として、毎年12月2日に公示される。各球団はその名簿の中から現役ドラフトの対象選手、つまり他球団が指名してもいいという選手を2人以上、2日午後3時までにNPB事務局に通知する決まりだ。NPB事務局は12球団分をまとめた対象選手リストを各球団に送る。

 Q.契約保留選手名簿に載った選手は全て対象になり得たの?

 A.次の8項目に当てはまる選手はのぞかれる。(1)外国人選手(2)複数年契約選手(3)来季年俸5000万円以上の選手(1人は5000万円以上1億円未満も可)(4)FA権を行使したことのある選手(5)FA資格選手(6)育成選手(7)前年シーズン終了後に選手契約の譲渡(トレード)で獲得した選手(8)シーズン終了後に育成から支配下になった選手。

 Q.8項目の意味は?

 A.高年俸や複数年契約の選手は既に出場機会を得ているはずだし、FA権のある選手も同様。何より、自分の意思で移籍できる。育成や移籍したばかりの選手は対象にすべきではない。そんな考えがうかがえる。

 Q.実際に対象になり得る選手は何人いたの?

 A.2日に公示された契約保留選手名簿から8項目に該当する選手をのぞくと、12球団で計458人になる。ただし、年俸はあくまで推定だし、非公表のまま複数年契約を結んでいる選手もいるかもしれない。さらに、1人は年俸5000万円以上1億円未満も対象にできる。

 Q.ロッテ佐々木朗、オリックス山崎颯、中日岡林等々、主力選手もいる。

 A.あくまで8項目に当てはまらなければ、現役ドラフトの対象にできるというだけ。実際に指名対象を選ぶのは球団の方だから、主力選手が対象になることは考えにくい。しかも、佐々木朗の契約更改はこれから。来季は年俸5000万円を超えるだろう。

 Q.現役ドラフトの対象になった選手は、そのことを知らされるの?

 A.選手本人に通知するかは球団の自由だ。ただし、球団は第三者には漏らさない秘密保持の義務を負う。

 Q.指名はどうやって行われるの?

 A.「予備指名」と「本指名」の2段階で進む。まず予備指名として、各球団はNPB事務局から送付済みの対象選手リストの中から、獲得希望選手1人を議長に通知する。通知された獲得希望選手は、議長から各球団に示される。

 Q.「本指名」は?

 A.他球団から集めた獲得希望選手の総数が多い順に、12球団の「暫定指名順位」が決まる。同数の場合は今年のドラフト会議の2巡目の指名順だ。そうやって12位まで決め、まず1位の球団が、予備指名で議長に通知した選手を指名する。

 Q.暫定指名順位は何を意味するの?

 A.他球団に指名したいと思わせるだけの選手を、もっとも出した球団が最初に指名権を得る。いい選手を提供すれば、その分、利があるということだ。

 Q.暫定指名順位2位の球団が2番目に指名するの?

 A.そうとは限らない。ここから、ややこしくなる。2番目に指名するのは、暫定指名順位1位の球団が指名した選手を出した球団だ。予備指名通りに指名する。次に、2番目に指名した球団が指名した選手を出した球団が3番目に指名する。つまり、指名された球団が次に指名することで指名順が移っていく。予備指名通りに指名していくが、予備指名した選手の所属球団が、既に他の球団から指名されている事もあり得る。その場合は、まだ選手を指名されていない球団から指名する。また、既に指名を終えた球団の選手が指名される事も起こり得る。

 Q.その時はどうするの?

 A.予備指名で決めた暫定指名順位が再び意味を持つ。まだ指名を終えていない球団のうち、暫定指名順位が最上位の球団に指名順が移るからだ。このプロセスを繰り返していく。ただし、11番目に指名する球団は12番目の球団から指名する。そうすることで、12球団必ず1人を指名し、1人が指名されることになる。

 Q.指名は1巡目で終わるの?

 A.希望する球団で2巡目も行われる。

 Q.また予備指名から行うの?

 A.2巡目の指名順はシンプルだ。2巡目指名に参加しない球団をのぞき、1巡目で行われた指名の逆順から指名していく。ただし、既に2巡目指名で選手を指名された球団の選手は指名できない。また、2巡目の指名順が回ってきた時点で欲しい選手が残っていなければ、いつでも指名を棄権できる。棄権した球団の所属選手も指名できない。

 Q.棄権できるんだ。

 A.2巡目の指名をせずに棄権すれば、選手の移籍が1増2減で、結果1減となる可能性もある。

 Q.3巡目指名はあるの?

 A.2巡目までで終わる。

 Q.指名結果によっては、移籍選手の年俸に差が出そうだけど。

 A.選手契約を譲り受けた球団は、その選手が所属していた球団に譲渡金を支払う義務はない。

 ◆現役ドラフト導入まで 18年7月、プロ野球選手会の臨時大会で、米メジャーの「ルール5ドラフト」を日本風にアレンジした「現役ドラフト」が議論され、NPBとの話し合いが始まった。選手会は登録日数などで自動的に指名対象が決まる制度を求めたが、各球団が8人の指名対象を選ぶ案で前進。シーズン中に選手が入れ替わることに反対する球団もあったが、20年1月、「ブレークスルードラフト(仮称)」として同年夏の実施で合意間近となった。ところが同年春、新型コロナウイルスの影響もあり議論がストップした。その後、話し合いが再開。開催時期など変更の末、22年10月、今回の「現役ドラフト」導入が決まった。

https://news.yahoo.co.jp/articles/29d50d8957f9f403849d3b441a11429dd8dfed0d


現役ドラフト楽しみやね。 今日の夕方くらいには次々発表されるのかね pic.twitter.com/86OgjQ7TYD



制度がむずい。 現役ドラフトはどのような制度?各球団、必ず1人は出て1人は入る仕組み/Q&A(日刊スポーツ) #Yahooニュース  https://news.yahoo.co.jp/articles/29d50d8957f9f403849d3b441a11429dd8dfed0d 


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