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アッパー気味の打撃フォームに変更し批判の声も「やってダメだった方が後悔がない」

 未完の大器、ロマン砲……。大きな期待を寄せられながらプロ8年目のシーズンを迎えた男がいる。「自分の中でダメだったら最後だと思っている」。阪神の江越大賀外野手は背水の陣で今キャンプを過ごしている。

 誰もが羨む身体能力の持ち主だ。快足、強肩、フリー打撃では特大のアーチを連発する姿に阪神ファンは毎年のように夢を見る。2016年から2018年まで指揮を執った金本知憲監督も当時は「3番・中堅」を掲げるなど、その素材に惚れこんでいた。だが、打撃での確実性が最大のウイークポイントとなり、ここまでレギュラーを掴むことはなかった。

 これまで7年間のプロ野球人生では様々な指導者からアドバイスを受け、時には両打ちに挑戦したこともあった。打撃の感覚を掴んだと思っても、長くは続かない。結果を求めるばかりで過程を疎かにしている自分に気付いた。

「良くなった時も自分であまり考えずやっていて、言われたことをそのままやって『これいいな』という感じだった。調子が悪くなった時にどうしていいか分からない時が多かった。それを無くすためにも今、しっかり、なぜ良いのか、ダメなのかを考えながら。それに気付いた、遅いのかもしれないですが(笑)」

ここ2年は主に代走、守備固めで出場も無安打「打たないと面白くない」

 今オフは昨季25年ぶりにリーグ制覇を果たしたオリックスの4番・杉本裕太郎外野手に“弟子入り”。バレルバットなどを使い打撃改革に着手した。アッパー気味のフォームには「あれでボールに当たるのか」「ちょっとやり過ぎだ」と“外野”からは批判的な声も上がっていたが、江越の考えはブレなかった。

「打撃を変えるのは今まではちょっと怖い、どうなるんだろう、という思いもあった。でも、もう覚悟はできている。これでダメならもういいや、という気持ちの方が強かった。やらないより、やってダメだった方が後悔がないので。自分の中でダメだったら最後だと思っている。そこは覚悟してきている。周りどうこうより、自分が納得した形でやるだけなので」

 ここ2年は代走、守備固めがメインで1軍では無安打。プロ7年の通算も310試合に出場し打率.191、13本塁打38打点。これで満足するプロ野球選手はいない。甲子園の大歓声を知っているだけに「全然、楽しくないというか。守備、走塁でもチームに貢献できれば勿論、嬉しいがやっぱり打たないと面白くない。打つ方でもしっかり貢献したい。(試合の)頭から出て最後までグラウンドにいたい」と、レギュラーへの思いは常に心に持っている。

今シーズンの目標はあえてシンプルに「楽しくやりたい」

 30歳のシーズンを迎え、外野陣では糸井嘉男に次ぐ年長者になった。「きっかけさえ掴めば」「魅惑のロマン砲」「バットに当たりさえすれば」など、大ブレークを諦め切れない虎党は数知れない。

 ロマン砲と呼ばれていることについては「いや、知らないです」と苦笑いを浮かべるが「でも、そういう期待されている部分は感じます。これまで裏切り続けてきたので。自分が求めるものをやりたい。結構、言われると意識しちゃうので(笑)。今年は自分のやりたいことをやると決めている」と覚悟は決めている。

 キャンプ中のフリー打撃では豪快な一発を放ち、中日との練習試合では同点の9回に右中間フェンスを直撃するサヨナラ打(特別ルールで9回裏まで実施)を放つなど結果を残し「手応えはありますね」と充実した表情を見せる。

 今シーズンの目標を問われると「楽しくやりたい」とシンプルな言葉を口にする。「結構、試合中とかも考えすぎる部分がある。そこを無くすためにも、考える時は練習でしっかり考えて。試合はもう楽しく、シンプルに相手のピッチャーと勝負する、そんな感じで考えています」。

 もう、失うものは何もない。背番号「25」は自らを信じ、今シーズンに挑んでいく。




格好良すぎやろ 批判の声に「もう覚悟はできている」 阪神・江越大賀が挑む“ロマン砲”からの卒業(Full-Count) #Yahooニュース  https://news.yahoo.co.jp/articles/d41cea7bd96fd6bf9ca335b839bfbd39a1c828b5 



批判の声に「もう覚悟はできている」 阪神・江越大賀が挑む“ロマン砲”からの卒業(Full-Count) #Yahooニュース  https://news.yahoo.co.jp/articles/d41cea7bd96fd6bf9ca335b839bfbd39a1c828b5  レフトのレギュラー獲ってくれたらもう絶頂ですわ


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