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 阪神が12日の中日戦(京セラ)に0―4で敗れ4連敗。今季20度目の零封負けを喫し、ついに借金生活に再突入した。チームはこれで34イニング連続でタイムリーすら出ぬまま。大山、近本、中野ら主力打者陣をコロナ禍で欠いた打線はこの日も機能しなかった。そんな中「彼の成長と一軍定着こそがチームにとって最大の補強」と球団内から将来を嘱望されている若虎が今もファーム・鳴尾浜で出番を待ち続けている。

 不幸中の幸いと言うべきか、首位・ヤクルトも現在7連敗中と不調にあえいでいるため、ゲーム差は8・5と変わらぬまま。今こそピンチをチャンスに変えるため「積極的な若手起用を」と提言する球団OBも多い。そこで最も多く名前が出てくる若手選手こそが、この日、7月度の「ファーム月間MVP賞」受賞が決まった井上広大外野手(21)だ。

 名門・履正社高の主砲として阪神にドラフト2位入団した井上は、広角に打ち分けることができる長打力が最大のセールスポイント。打席内での確実性に課題を残し、プロ3年目の今季まで二軍暮らしを続けてきたが、7月は二軍戦全16試合に出場し打率3割8厘、2本塁打、20打点をマーク。覚醒の気配を濃密に漂わせている。

「右の長距離砲外野手はウチにとって今、最も補強したいポイント」と球団関係者が力を込めて語る通り、近本、中野、佐藤輝と左の若い好打者が揃う猛虎打線に、大山と並ぶ右の長距離砲・井上が加わればその陣容はますます盤石になる。「守備力もプロとして一定の水準に達している」(同関係者)井上が外野の一角に加われば、一塁に大山、三塁に佐藤輝という理想的な布陣を敷くことも可能に。金本前監督時代から、フロント主導で目指してきた「生え抜き日本人選手を中心とした、骨太のチームづくり」というコンセプトにもドンピシャで当てはまる。

 二軍戦で好調だったとはいえ、よりハイレベルな一軍の舞台で現在の井上がどこまで通用するかはまだまだ未知数。だが、チーム全体の打撃状態がドン底に沈む現状においてなら、試す価値は十分にあるとも言えそうだ。

 指揮官就任以来、湯浅、及川、中野、島田ら若手選手を次々と抜てきし、チームの大幅な若返りに成功した矢野監督。指揮官ラストイヤーの今季だからこそ、最大の〝置き土産〟を残してほしいところだが――。




井上広大が京セラに現れないか気にしてまう



貧打の今こそ井上広大が見たい ていうか見せろ 楽しみそこしかない



7月ファームMVPの井上広大を一軍に上げろ! どうせ今のままやってても負けるんやから!


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