阪神の近本光司外野手（２４）が２７日、甲子園での全体練習に参加し、残り３試合でも「ファンを喜ばせる」姿勢を貫くことに意欲を示した。現在、リーグトップの３６盗塁をマークしており、２桁本塁打にもあと１本。新人王のタイトルも射程圏に捉えているルーキーがタイトル奪取とＣＳ進出に向け、最後までファンのために全力プレーを重ねる。
全うしなければならない使命がある。ユニホームを身にまとってグラウンドに立つ以上、果たさなければならない役割がある。阪神の近本はチームが貫いてきた「ファンを喜ばせる」という理念を最後まで体現していく。
現在リーグトップの３６盗塁。２位のヤクルト・山田哲が３３盗塁で、３位の中日・大島が３０盗塁。残りは阪神が３試合、ヤクルトが残り１試合、中日が２試合という状況から、近本のタイトル獲得は現実味を帯びている。
矢野監督から「（自分が）走ることで見に来てくれたファンが楽しんで帰ってくれるから、と言われてそうだなと」と実感を込めた近本。タイトル獲得に力を尽くすことで虎党が笑顔になるなら、これ以上の原動力はない。指揮官も「狙えるタイトルは狙えばいい」と背中を押した。
１９日のヤクルト戦でセ・リーグ新人安打記録を６１年ぶりに更新。球団新人記録である赤星の３９盗塁も視界に捉える。現在９本塁打。球団史上初の新人左打者による２桁本塁打達成にも王手を掛けている。
上位を打つ背番号５にとって「（塁に）出てプレッシャーを与える方が相手は嫌なんじゃないか」とあくまで最優先は出塁。それでも「打ちたいですね。あと１本は」とチラリと“大台”への色気を見せた。
横浜スタジアムでは、セ・リーグ敵地で最も高い打率・４０９を誇り、相手の先発・今永とは今季８打数３安打の・３７５。だが「あくまで過去の結果」と慢心はない。一瞬一瞬の勝負に集中してきたらからこそ、新人王を狙える高みに達した。
残り３試合。「今日しか来られない子ども、今日初めて来る子どももいる。一生の思い出になってくれれば」とファン目線の心は忘れない。広島の敗戦で復活したＣＳ自力進出の可能性。最後までグラウンドを駆け抜ける。
