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 阪神、オリックスで監督を歴任したデイリースポーツ評論家・岡田彰布氏(63)が、自身の経験を基に球界の話題を深掘りする「岡田辞典」-。後半戦を首位で迎える阪神。1カ月ぶりの公式戦、2ゲーム差の巨人から逃げ切るために最初の2カードが重要と説いた。

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 いよいよ後半戦がスタートするな。エキシビションマッチで調整はしてきたと思うけど、練習試合と公式戦はやっぱり違うからな。1カ月も空いているわけやし、開幕のように先発ローテを担うピッチャーは一回り目がどういう結果になるか。バッターにすれば最初のヒットが出るかどうかは大きいと思うよ。

 だから2ゲーム差で首位に立つ阪神は、最初の2カードが重要やと思うな。最終的にヤクルト、巨人との優勝争いになってくると思うんやけど、9月までは直接対決が無い日程なんよな。だから貯金とか、ゲーム差は意識する必要はないと思う。それよりも再びスタートダッシュが切れるかどうかがポイントよ。

 4月の開幕時はヤクルトに3連勝して、最初の2カードを4勝2敗でスタートできた。ただこの時は外国人選手がそろわないなど、他球団はマイナスからのスタートやったからな。逆に阪神は外国人も含めてほぼベストの布陣で戦えた。今回はスアレスとマルテの調整が遅れているという話も漏れてきている。そういう部分を差し引いても、春先のように簡単にはいかないというふうに考えておいた方がいい。

 逆にこの2カードで負け越し、負け越しとなったらちょっとチームの空気も悪くなってしまう。だから大事なのはやっぱり先発ピッチャーやろうな。しっかりと試合を作っていく流れができればええと思うし、打線も各打者に早く“最初の一本”が出て、後半戦に入っていけるかどうかやろう。

 改めてやけど、この夏場の1カ月間、試合が空くという日程は誰も経験してないわけやから。いったんはゲーム差も貯金も意識しないで、新たなスタートと考えて最初の2カードを戦ったらええんちゃうかなと思うよ。




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