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 ◇セ・リーグ 阪神3ー3広島(2022年4月8日 甲子園)

 総力を尽くして、3点差を追いついたことは評価できても、渇望する白星にはあと一歩届かなかった。阪神・矢野監督は若い中継ぎ陣をねぎらいながら、改めて打線の奮起を促した。

 「決められるチャンスもあったからね。決めたいなって。やっぱりそこは、投手が頑張っていたからこそ打者が決めてほしかったなというのは、もちろんあるけど」

 勝利に最も近づいたのは延長11回だ。先頭大山が三ゴロ失策で塁に出るとすぐさま代走・江越を起用。続く熊谷は捕前にきっちりと犠打を決めた。梅野が申告敬遠で勝負を避けられて1死一、二塁。あとひと押しだった。小幡が空振り三振、代打・坂本も力のない右飛に終わった。

 6日DeNA戦でも延長10、11回に1死二塁をつくりながら無得点だった。好機での1本という課題は解消されず、「3点先制されて何とか追いつけた部分もある。良くない部分というか、課題もあるけど、プラスに捉えてやっていきたいなと思います」と前を向いた。

 4時間53分の激闘を終え、9日は午後2時開始。奮闘の疲労も残るブルペン陣を救うには攻撃陣の奮起しかない。「開幕から苦しいことは苦しい。でも、全員でこうやって、もぎ取っていくのが俺たちの野球。先を見てやるというよりは、目の前のことを全力でいくしかできない」と必勝を期した。(山添 晴治)

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